小説が読める!投稿できる!小説家(novelist)の小説投稿コミュニティ!

二次創作小説 https://2.novelist.jp/ | 官能小説 https://r18.novelist.jp/
オンライン小説投稿サイト「novelist.jp(ノベリスト・ジェイピー)」
月とコンビニ
月とコンビニ
novelistID. 53800
新規ユーザー登録
E-MAIL
PASSWORD
次回から自動でログイン

 

作品詳細に戻る

 

ゾンビもの

INDEX|1ページ/2ページ|

次のページ
 
ゾンビもの

著:大島恭平
演劇用脚本

登場キャラ
・キョウ
・ケン
・トミー

【シーン1】奴らのいる世界

暗転
SE:ゾンビ達の呻き声
明転(Mが終わったら明転)
▼身を屈め状況を伺うキョウとトミー

キョウ  ここもそろそろヤバくなってきたな
トミー  あぁ。この前の倍以上はいる
キョウ  感染者が徐々に増えているのは分かっていたが
トミー  にしても、多すぎる。
キョウ  あぁ。
トミー  おい、あれ
キョウ  ん?

▼トミー、キョウ、下手の方を見る。

キョウ  バカか、あいつ。なに堂々と歩いてんだ
トミー  もしかして好都合なんじゃ?
キョウ  は?
トミー  ほら見てみ
ゾンビ(声のみ) あぁぁぁあああああ
キョウ  ゾンビ達が一斉に向かっている
トミー  あの野郎が奴らを引き付けてる間にちゃっちゃとここを突破しようぜ
キョウ   ……
トミー  お前、もしかして
キョウ  すまん、ここで待っててくれ!
トミー  ちょ、おまえっ!!

▼キョウ、下手ハケ

トミー  はぁ…お前の方が、よっぽどバカだ!

▼トミー、ハケ

【シーン2】出会い

▼ケン、下手から逃げ回るように入り。周りから攻撃されている。

ケン  ちょっと、なんだよ!いきなり!いたっ、なんだよこれ!急に攻撃してくるなよ!俺が何したって言うんだ!いたっ

▼キョウ下手から半身を出す。

キョウ おいっ!こっちだ!
ケン  え?
キョウ いいから!こっちこい!

▼キョウ、ケン、下手へ一度ハケて再度入り。

ケン  はぁはぁはぁ
キョウ はぁはぁはぁ
ケン  あの…助けてくれてありがとう
キョウ お前大丈夫か!?奴らかの攻撃をかなりくらってたけど
ケン  うん。大丈夫だよ。ちょっとびっくりしたけど。
キョウ お前、バカだろ。
ケン  え?
キョウ あんなところに突っ立てたら、そりゃ格好の的だろ!あっさり捕まっちまうぞ
ケン  捕まる? 
キョウ もしかして、ここは初めてか?
ケン  うん。
キョウ なるほどな。でもいくら初めてでもあれは流石に自殺行為だぞ。てか、お前、見ない顔だが生まれは?
ケン  生まれ?
キョウ ……もしかしてここで何が起こっているのか分かってない?
ケン  うん。
キョウ かぁ…これはとんだバカを拾っちまった
トミー バカはお前だよ。
キョウ おい、なーんだよ。先に行ってろって言ったじゃないか。
トミー あの数を二人で切り抜けるのは困難だろ。
キョウ もしかして
トミー あぁ。そいつに変装して奴らを別方向に誘導しておいた。
キョウ ふっ…相変わらず流石だよ
トミー そんで、そこの何も知らない方のバカはどうするんだい?
キョウ あぁ、こいつは俺の仲間で変装が得意なんだ。
トミー どうも。
ケン  あの
トミー ん?
ケン  俺を襲ってきた奴らは何なんですか?
トミー さぁな。俺たちも何で襲われるかも分からねえ。
キョウ ただ一つ言えることが、奴らに捕まったら終わりってことだけだ。
ケン  捕まったら終わり…
キョウ どうした?
ケン  終わりは嫌だ。
トミー なんだビビったのか?
ケン  確かめたいんだ。俺は。自分がなぜ生まれたのかを。そしていろんなことを知りたいんだ。だから、終わりはすごく嫌だ。
キョウ お前、俺たちと一緒に来るか?

【シーン3】キョウとトミー

▼照明:薄明り 
端で横になって寝るケン。中央で銃の手入れをするキョウ。隣にトミー。

トミー なぁ。
キョウ ん?
トミー ちょっといいか
キョウ なんだ?
トミー あいつの事で話がある。
キョウ あぁ。もう俺たちと行動して3日経つか。どうだ、少しは仲良くなれたか?
トミー ここ数日、奴らの動きが活発になった。数もどんどん増えてる。それも急激にだ。
キョウ 分かってるよ。ここも限界かもな。次の拠点を早く作らなきゃ
トミー とぼけるな!
キョウ …
トミー 明らかに奴らは、あいつを追ってる!
キョウ …
トミー 初めてあいつに会った時、お前を助けるために俺は変装した。
キョウ あぁ。あれはマジで助かった。
トミー 異常だったんだ。
キョウ なにが?
トミー 奴らの反応だよ!今までの活動時間は昼間がメイン。でも今は昼夜問わず街中を彷徨ってる!
キョウ  何が言いたい?
トミー  見捨てるべきだ。
キョウ  見捨てるって。お前何を言って
トミー  俺たちは生き残らなきゃならない!だろ?他の奴らの分まで俺たちは生きなきゃいけない!
キョウ  …そうだな。俺たちはいろんな人に助けられてここまで来た。だから悪い。俺はあいつを見捨てられない。

トミー  ふっ。お前はとことんお人良しだな。悪いが俺はいざとなったら切り捨てるぞ。

▼トミーハケ。

キョウ  おい、待てよ。

▼キョウ、ハケ。ケン、起き上がる。二人の会話を聞いていた。
▼暗転


【シーン4】お人好し

▼明転、三人入り

キョウ  一旦休憩するか。
ケン   俺たちは一体どこにむかっているの?
キョウ  奴らの生息地にはバラつきがあるみたいでな。中にはほとんど生息していない地区があるみたいなんだ。このまま北上するとあるらしい。
トミー  お前ってさ、本当に何も覚えてねーの?言葉は喋れるのに。
ケン   うん。今までずっと一人で生きてきた。誰もいない。薄暗い場所。一人が当たり前だと思っていた。でも気が付くと
キョウ  この前の場所にいた。
ケン   うん。
トミー  なんだよそりゃ。
ケン   いきなりでびっくりしたけど、でもすごく嬉しかったんだ。
トミー  なにが?
ケン   二人に会えたから。
キョウ  だってさ
トミー  あぁ、そうかよ。こっちはいい迷惑だぜ。

▼ケンにピンスポットを当てる

ケン  え?
トミー あぶねぇ!

▼トミー、ケンを突き飛ばし、ピンスポに入る。
▼ピンスポ暗転(トミーがピンスポに入ったら)

トミー  うわぁあああああああああ

▼トミー、一度ハケてモンスターボールのクッションを元居た場所に置く。そしてもう一度ハケる。

▼明転

ケン   え?ちょっと…一体何が…
キョウ  くそが!!一体どこから!?奴らの姿は見えないのに!おい、おい!

▼キョウ、置かれたモンスターボールを揺らす。そのまま、紐で引っ張られ袖へ回収される。

ケン  え…
キョウ  くっそ!辺りは確認していたのに!見えないところから攻撃が飛んできやがった!おい、大丈夫か?
ケン   いま、地面に玉が戻って行った…
キョウ  もしかして…地中から!?くそ!ここはもうダメだ。おいっ!早く逃げるぞ!
ケン   え??ちょっと待ってよ。もうダメってどういう事だよ!アイツを見捨てるのか!
キョウ  あの玉に捕まった以上、もうダメだ…逃げ出せる体力があれば話は別だが…くそ…
ケン   あいつは!俺を…俺を助けてくれたんだ…
キョウ  あぁ…分かってる…ったく。一番のお人好しはテメェじゃねぇか!

▼二人とも下手にハケる。


【シーン5】ケジメ

▼キョウ、トミー下手入り

キョウ  くそっ!
ケン   早く逃げないと!

▼上手に逃げようとするが急に立ち止まるキョウ。
作品名:ゾンビもの 作家名:月とコンビニ