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てっしゅう
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novelistID. 29231
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「美那子」 浮気 三話

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「名古屋からですか?私たちもそうなんです」

「ええ、そうよ。さっきロビーで見ていた時にそうじゃないかなあって思っていたの。
あなたは高校生かな?」

「はい、お姉さんたちは大学生ですか?」

「そうよ。星ヶ丘なの」

「ええ?星ヶ丘。じゃあ、一緒の学校ですね。偶然だわ」

「そうだったの。ねえ、お兄さんよね、どこの大学かな?」

「名古屋です」

「やっぱりね。頭良さそうだとみんなで言っていたの。カッコいいし、自慢のお兄さんね。お母さんも美人だし、絵にかいたような家族って思うわ」

「兄のこと気になるんですか?」

「ええ?そうね、彼がいないから・・・」

「兄も彼女いませんよ」

「そんなこと知っているの?」

「はい、何でも話しますから」

「仲いいのね。ちょっと気になるんだけど聞いていい?」

「はい、多分似ていないと思われているんじゃないですか?」

「そう!やっぱり言われているのね。私は家族だって、兄妹だって解ったけど、普通は二人だけなら恋人同士に見られちゃうぐらい似ていないって思える」

「良く言われます。兄が恋人だったらいいのになあ~なんて思う事もあります。お姉さんはずっと彼がいないんですか?」

「そうじゃないよ。別れちゃってから少し時間が過ぎたっていう感じなの」

「へえ~彼さんはカッコよかったんですか?」

「どうかな。スポーツマンだったから体格は良かったよ」

「いいですね。男の人は性格も大切だけどやっぱり強いっていう雰囲気も魅力ですよね」

「そうそう、よくわかっているじゃないの。名前なんて言うの?」

「美那子です。お姉さんは?」

「美幸よ」

話がはずんでいるころ、美樹はすぐ隣に秀一郎が並んで座っていることに気付いた。
ちょっと離れるようにして、向かい合うようにすると見ようと思って見たのではないが、
タオルが掛けられた部分に目がいった。
手で押さえるようにしていたから、ひょっとしてと顔を見ると恥ずかしそうにした。

母親に知られることはかっこ悪いと思える。
クルッと背中を向けて、うつ伏せ状態になってごまかしていた。
美樹はこのぐらいの年頃男性なら女子大生が数人入っている露天風呂では仕方ないのかとも感じた。

「お兄ちゃん!ちょっと」

美那子の呼ぶ声がした。