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てっしゅう
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novelistID. 29231
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「美那子」 浮気 一話

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美那子と秀一郎、そして美樹が搭乗した全日空機には三枝も一緒だった。
席は離れていたが、何となく落ち着かない表情の美樹を見つけて美那子が言う。

「お母さん、席譲ってあげるから三枝さんとお話したら?」

「いいのよ、ただの同級生って言うだけなんだから」

「そんなふうには見えないけど、じゃあ、私がお話してくる」

「ええ?なんであなたが話したいって思うの?」

「特に理由はないけど、別にいいんじゃないの?バイト先の千佳さんの旦那さんなんだし」

そう言われれば強く反対するわけにもゆかないと美樹は思った。

「お兄ちゃん、ちょっと三枝さんとお話してくるね」

美那子はそう声掛けると、偶然三枝が座っていた隣の席が空いていたから、そこへ割り込んだ。短いスカートから見える細くて白い足をじっと見ながら、「おれの子供に間違いない」三枝はそう信じた。

「三枝さん、お邪魔していいですか?」

「ええ?っていうか座っているじゃん、ハハハ~」

「そうですね。お母さんにお話して来たら、って言ったのですが、なんか嫌がっていたので私が来ました。話したくない理由でもあったのかなあ?」

「そんなことはないと思うよ。同級生と言っても付き合っていたわけじゃないし、それほど話すことも無いって思っているんじゃないのかな」

「うん、お母さんね高校生の頃は美人だった?」

「美那子ちゃんほどじゃないけど、可愛かったよ。男子には人気があった」

「私ほどって、褒めてくれています?嬉しいわ~」

「美那子ちゃんこそ学校では人気者だろう、男子から?」

「私は女子校なんで・・・」

「ああ、そうか。どこだった?」

「星ヶ丘です」

「ああ、なるほど、あそこね。エリート銀行員のお父様だから、立派なお嬢さん教育をされているんだね」

「父はエリート銀行員なんですか?」

「もちろんだよ。時期支店長候補だろうから、ボクもね今後の出店時には融資をお願いしたいと考えているんだよ」

「難しいお話は分かりませんが、父の事よろしくお願いします」