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てっしゅう
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novelistID. 29231
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「美那子」 旅行 三話

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「美那子ちゃん、ちょっと待って」

「千佳さん、何ですか?」

「一応紹介しておこうと思って。うちのコンビニの親会社にあたるグループの課長をしている三枝さん、つまり私の夫なの」

「ええ?そうなんですか。初めまして、今日でバイト終わっちゃいましたが、永田美那子と言います」

芳之はじっと見つめて、ニコッと笑うと名前を名乗って頭を下げた。

「良かったらまたバイトに来てよ。大学生になってからでもいいから」

「はい、ありがとうございます。その時はお世話になります」

「うん、待ってるね」

美那子は三枝のことをいい旦那さんだと感じた。
秀一郎と待ち合わせの約束をしていたのでそれではと言って、駆け足で駅に向かった。

「ゴメンね遅れて。バイト先で千佳さんの旦那さんと会ったから紹介されて、挨拶をしていたの」

「気にしてないよ。旦那さんって一緒に仕事しているんだっけ?」

「ううん、何でも親会社の課長さんだと言ってた」

「フランチャイズだからな。あそこのコンビニは大手スーパーやデパートを傘下にしているトップ企業が親会社だから、そこの課長となると出世だと思うよ」

「そうなんだ。よくわかんないけど、またバイトに来て欲しいと言われた」

「行きたいのか?」

「そうでもないけど、お金はあった方がいいなあ~って単純に思うけどね」

「それはそうだ」

今日二人はショッピングモールへ行って、旅行に着てゆく服を買うことにしていた。
普段穿かないミニスカートを美那子は買いたいと思った。
ショップの店員もとっても似合うとしきりに褒めた。基本商売だから誰れにでもお似合いですよ、とは言う。
しかし、誰が見ても美那子の可愛さと色っぽさは抜きんでていた。

家に帰って来て、母親に三枝と会ったことを話した。
ちょっと驚いた表情を見せたので、どうしたの?と聞き返した。

「えっ?別にどうっていう事は無いけど、三枝さんって芳之さんの事よね?」

「うん、そんな名前だった」

「だったらお母さんの高校の時の同級生だわ。お父さんも知っている人」

美樹は内緒にするとボロが出ると思い正直に話した。