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のしろ雅子
のしろ雅子
novelistID. 65457
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11話 あとは野となれ山となれ -武士道精神ー

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11話 武士道精神

若い頃パーティーに行って靴が微妙に小さくて地獄のように痛かったが何でも無い顔をして過ごして足の指をおかしくして通院するに至った。

 やせ我慢もいい加減にしなさいと、皆に呆れられた…。
 やせ我慢じゃないの!…これぞ葉隠武士道精神なのだ!
どんなにお腹が空いていてもそれを見せない悟られない、
武士は食わねど高楊枝…それが美意識ってもんじゃない?


 最近、重い荷物を持って歩いている姿…その必死さが何となく無様で嫌…。
 それでスーパー近くの停留場から一駅ではあるけどマンション前まで最近バスを利用するようにしてる。
 殆ど歩かないで帰れるので、結構安心して買い込んでくる。
 スーパー前の停留場なので利用者は高齢のお婆さまが殆どなのだが…。
 その日は二つの食材の袋を持ち停留場に行くと高齢者に交じって10人ほどの小学生の子供たちがバスを待っていた。

 “あら~乗れるかしら…”と思ってるところにバスが遣ってきた

子供たちは中でも一番大きい高学年の男の子に仕切られ横に避けて、
大人 たちを先に乗せるように待っていた。
 後から行ったあと数人の大人たちにも男の子が“乗ってくださ い…”と言うように手を差し出してくれたので
「えっ!いいの?先に乗って、ありがとう…」と重い荷物に手を真っ赤にしてた私は〈ラッキー…〉とばかりに嬉しげにさっさと乗り込み、他の大人たちも乗り無事座ることが出来た。
 一つ目の停留場で降りるので腰は半分浮加減であったのだが重い荷物を持っていたのでとても助かった。
 大人たちで席は大体塞がり、最後に子供たちが纏まって乗ってきた。
 その中におそらくその乗客の中で一番高齢と思われるお婆さまが手すりにつかまって矍鑠と立ってる。誰に席を譲られても絶対に座らない。其々立ったままどこかに掴まってバスは発車した。

 揺るぎずしっかりと立ち尽くすお婆さまの見事さに目を見張ってしまった。
 私はバスを降りてからも走り去るバスをずっと見ていた…。

 武士の妻は肝の座ったあんな人だったんだろうねきっと…お見事!
 私の武士道は人の眼を意識した似非武士道で…未熟者だね…私