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てっしゅう
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官能小説「美那子」 接点 一話

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美樹の夫、彰が三枝の勤務する開発事業部の推薦を受けて、コンビニ事業に方向転換を決めた地元スーパーへ融資の話でやってきたのは、それから間もなくだった。

経営者と経理担当の三枝千佳を交えて永田彰は融資の条件である信用保証協会への審査申込書に署名するように持ち掛けていた。
土地と建物を担保に融資を申し込む手順だ。

バブル期にあって審査と言っても形式上のことで、書類にサインすればほぼ決まりだ。少し三人は千佳の出したコーヒーを飲みながら雑談に入っていた。

「千佳さんはこちらでは大黒柱の存在ですね。社長も頼もしいでしょう?」

彰の問いかけに満面の笑みを浮かべた千佳は社長の顔をじっと見た。

「そうなんですよ。この子がいなければうちはダメになっていたかも知れないって思うよ。笑顔も素敵だし、良く喋るからみんなからいろんな相談事も受けるし、おまけに旦那さんは一流企業で今回の事業担当だろう。幸せを絵に書いているような人生だと思えるな」

「そうですね。確か三枝さんのご主人から今回の融資をご紹介して戴けましたから、私どもとしましてはその時点でOKが出た様な話ですよ」

「それは力強いお言葉ですな。我々のような小さなスーパーはやがてやってくる大手の出店で潰されてしまうという危機感があり、コンビニ事業というものに興味を持ち始めました。この地区では全くないので先鞭をつけるという点でも期待できると踏んでいるんですよ」

まさにその言葉通りに事業は進んで行く。そして、一年後完成したコンビニは従業員とアルバイト募集を始めた。

美那子は高校二年に進級していた。
兄に相談して、アルバイトを始めたと考えていた。
お金に困っているという事ではない。学校では当然禁止されている。秀一郎は親に知れるとマズいからやめた方が良いと言ったが、どうしてもやりたいと言うので、何か隠していることがあるのではないかと疑い始めた。

「美那子、おれに隠していることが無いか?」

「ないよ。なんでそんなこと聞くの?」

「お前がどうしてお金も必要ないのにバイトしたくなったのか知りたいんだよ」

「お金欲しいよ。買いたいものあるもん」

「なあ、嘘は言わないでおこうよ。お前が信じられなくなるのが嫌なんだよ」

「お兄ちゃん・・・クラスメートの子が妊娠して、中絶するのにお金が要るから、みんなで助け合うって約束したんだよ。一人2万円ぐらい都合しないといけないらしい」