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みゅーずりん仮名
みゅーずりん仮名
novelistID. 53432
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『 教えてくれる師2 』

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突然、この時代に古い習慣が持ち込まれることになった。
その理由は、なんだかイライラする。
だが、習慣というものは、古いものはもう既にそうではなくなっていることなので、人は大興奮に陥るということがあるらしい。
つまり、新しいことを考えるよりも、古い流行を研究したほうが、ずっとずっと楽な訳で…それでかしらないが、

「処分してやるよ!」

突然、この時代に響き渡る雷の声がした。昨日までは言い訳じみた男の声が、今日は姫なのか!?
兎に角すごい簡単に、人は処分されるようになったらしいのである。
残念なことに、私は大興奮にあずかることもなく、何か天空から見ているらしい誰かがいることに震撼していた。

コンクリート界のドンが滅びたことで恐れているのではなく、そこのマンホールが双子になったことと黒くなったこと等に怯えているのだ。
それと、火事を起こしたのがあの黄色い車みたいな、手が長い奴なんじゃないか、と言いたくなったのだが止めておいた。
あれ、いつも狙ってたんだから、そこ通る車とかバイクとか絶対に、笑うなよ。血の跡も見たけど、地面繰りぬかれてたけど、誰も何も言わないから、きっと違う。

それで、やっぱり嘘だったことで安心して笑う。人は笑う。それから、すぐ、死ぬ。
殴られたような痛みでも、銃声みたいな音でも、何聞いても皆、平気なのだ。
私はまた、苦しい息を吸い、歩いた。

地面の色が赤く変わって、白い線が増えて、やがて秩序だっていっく街並みを見ていた。だが、やはりその色は私だろうか。今、緑の葉が紅く変わった気がしたのも、すべて戻されて行く発達した未来も、変わりない古い習慣を愛する人のためなのか。

スーパーに並ぶ挽肉に手が出なかった。あの橋のペンキに似てる。
なんでもキモイという人にキレながら、気持ち悪くないのは新しいものだけなのか、きっとそうだと私は思った。

『そうなの、ソースなのよ』

大体の話、思い出には涙しかないが、新しい話には恐ろしさしかないのだ。
そんなに震撼するなよ。
誰かが言ってくれたら、私はその時、笑ったかも知れなかった。