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藍城 舞美
藍城 舞美
novelistID. 58207
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魚(ぎょ)っちゃんのコンサート

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 ある日、桃太郎、金太郎、浦島太郎の仲良しチームは、シンデレラ(通称デレちゃん)、白雪姫(雪ちゃん)と一緒に海底の人魚城に招待されました。
 パステルカラーの貝殻いっぱいのお城で大勢の魚のオーケストラが、海亀さんの指揮で曲を演奏しています。開いた大きなピンクの貝殻が開き、このお城のお姫様の魚(ぎょ)っちゃんこと人魚姫が、陸の世界への憧れを歌っています。招待客たち、特に浦島太郎は、魚っちゃんの美しい歌声にうっとり。

 魚っちゃんは1曲歌い終えると、
「ありがとうございました」
 と招待客にお礼を言い、上品におじぎをしました。全員が、惜しみない拍手を送りました。


 次に魚っちゃんは、海のかなたに居るいとしい人を思うナンバーを歌いました。歌いながら、魚っちゃんは貝殻から出てきて客席に居る友人たちと握手を交わしました。おやおや、浦島太郎がデレデレしています。

 2曲目も歌い終わり、今度は海の世界の素晴らしさを楽しく歌う、とびきり明るいナンバーを歌いました。この曲のメインヴォーカルは、何と指揮者の海亀さんでした。サビに入ると、魚っちゃんが会場中を自由に泳ぎながら歌い、魚やタツノオトシゴのコーラスまで入りました。これにはみんな盛り上がり、太郎ズは
「魚っちゃん」
 と合いの手を入れたほどでした。


 こうして全曲を歌い終わり、魚っちゃんは来てくれたみんなにお礼を言いました。
「皆様、本日は私の歌を聞きに来てくださり、本当にありがとうございました」
 桃太郎たちは大きな、大きな拍手をしました。すると…。