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亨利(ヘンリー)
亨利(ヘンリー)
novelistID. 60014
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ポジティぶ なんだから (最終話の前に第9話追加)

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第1話 いつもうまく行くんだから



「急がないと・・・」
「そんなに慌てる必要なんかない」
「でも、時間ないじゃないですか」
「大丈夫だって、うまく行くから」

成功者の発想は変わってる。ボスはどんな時でも慌てないんだから。

「ああ、また赤信号ですよ」
「よかったラッキーだ」
「どうして赤信号がラッキーなんですか? 余計に焦るじゃないですか」
「今、黄色信号だったら、無理して突っ込んでたんじゃないか?」
「ええ、どうしようかと思いましたけど、もう赤になったんで無理しませんでした」
「だからよかったんだ。無理繰り返してたら、そのうちに事故するぞ」
「でもイライラして焦ると、その方が事故起こしそうになるじゃないですか」
「だから赤信号は、落ち着くための時間だろ?」

何でもいい方に、考えを持っていくのが凄いんだから。

「すみません、飛行機の時間に間に合いません」
「なんで? まだ飛び立ってないぞ」
「でものこり15分では、空港に着けないですよ。それに、チェックインするにも時間かかるし、搭乗口まで走っても、10分はかかります。混んでるかもしれないし」
「出来なさそうなことばっかり、並べ立てても仕方ない。ギリギリ着けたら、チェックインカウンターから、出発を待つように、飛行機に連絡してくれるかもしれないし」
「そんなことしてくれますか?」
「お願いしたら、それくらいやってくれるだろう」

無理そうなことでも、普通に信じてるのが怖いんだから。

「すみません。やっぱり、チェックインの時間にも間に合いませんでした。今日はもう便がありません。どうしましょう?」
「まだ諦めなくてもいい。ここで降ろして、ちょっとまってて。カウンターで聞いて来るから」
僕は、ボスを降ろした後、スーツケースを引いて、出発ロビーに歩いて行く後姿を見送った。暫くすると電話がかかって来た。
「やっぱり大丈夫だった。出発が遅れて、まだ搭乗開始してなかった。な、焦らなくてもよかっただろ」

こういう人の周りでは、いつも簡単に奇跡が起こるんだから。

僕は車で走り出した。なんとか空港に送り届けることが出来たと安堵しながら、ボスが10日間ハワイで過ごす間、僕も少しゆっくり出来ると思っていたら、再び電話が鳴った。
「あーもしもし? パスポート忘れた」

ボスはこれでよかったと思ってるに、違いないんだから。