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てっしゅう
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novelistID. 29231
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「熟女アンドロイドの恋」 第二十話

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内藤が研究していたのは究極のバイオテクノロジーとも呼べる人間と機械との合体素子である。
コンピュータが運動を判断するのではなく、人間の脳機能をいわば移植して人として判断する人工知能、言い換えれば人工頭脳とも呼べるシステムを作り上げることが可能になる。

もちろん人の脳を移植するのではない。それをすれば元の肉体に戻れなくなる。
そして脳の機能も年数を経れば低下する。
意識そのものを記憶する素子を人型のロボットに埋め込み、自らの判断で身体を動かせるようにするのだ。
意識とは軍で鍛えられた有能な戦士のものであれば、実戦で兵器を操作できるし、お互いの連絡も取り合える。

刻々と変わる戦場で人と変わらない動きをする人型ロボットは戦車や装甲車や艦船や戦闘機も操縦できる。
命令に対する状況判断も加えることが出来るので、どんな危険な地域へも躊躇なく侵攻できる。いわば命を惜しむという行動にはならなくて済むのだ。
破壊されれば、次のロボット兵士を送り込めばいい。

多少コストは高いが命よりは安いと判断されるだろう。
実用化には柔軟な動きが出来る人型ロボットが決め手になってくる。
ストリーツカはアメリカ軍の全面的な支援を得て秘密裡にアンドロイド軍団の結成を実行する。まずは見本の一体を組み上げ、自分の頭脳をコピーさせる実験に臨んだ。

「内藤さん、私の意識でこのロボット兵士が完全に作動するか見守って欲しい。意識の移し替えはどのぐらいの時間が必要かわかりますか?」

「あなたが実験台になるのですね。意識をコピーすることはそれほど時間がかかりませんが、植え付けた人工頭脳が全ての動作をチェックし完全作動するまでには数時間は要すると思います」

「数時間か・・・考えられる不具合というのはどういうエラーになるか予測できますか?」

「一部の機能が機械的に動かないとすれば命令形のシステムをチェックすれば解ると思います。問題なのはコピーされた意識が消えてしまうことです。これは実験をいろんな条件で繰り返さないと何とも言えないでしょう」

「消えるというのは、バイオ素子が壊れるということなのか?」

「いえ、行動機能をつかさどる演算処理チップとの接合部分で、バイオ素子が何らかの理由で機能しなくなる危険性です。感情の部分で生じれば場合によっては危険な行動を引き起こすことも考えられます」

「つまり私が暴れ出すと?」

「そうなりますね」

「理性が不安定になれば情緒が乱れるという部分を修正するプログラムは出来ないのですか?」