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てっしゅう
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novelistID. 29231
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「サスペンス劇場 悪魔の契約」 第三話

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薬が効いて男はベッドで眠っていた。
スマホから悪魔の使いに電話を掛ける。
直ぐにノックが聞こえ、ドアーを開けるとそいつは中へ入って来て、よくやったと言った。

「私はこれからどうすればいいの?」

「明日の朝までここに居ろ」

「約束は果してくれるのよね?」

「当たり前だ。一つ言っておくが、お前を男にするということは、お前自身が命を絶って別の人間になって人生を歩かないと不可能だ。言っている意味が分かるか?」

「男に生まれ変わるから、新しい戸籍がいるということね?」

「そうだ、ここに居る男は独身だ。こいつに成り代わればいいだろう。免許証そのほか全ての身分を証明するものを持って行け」

「ええ?この男に成り代わる?私は25歳よ、どういうこと?」

「おれの目的は果たした。こいつのバックの中を見ろ。現金が入っているはずだ」

部屋に置いてある黒いスーツケースを開けるとその中にはびっしりと一万円札が詰め込まれていた。

「このお金はどういう理由で持ってきたの?」

「それを知ってどうする?欲しくなったのか?」

「違う、数えてないけど数千万はあるんじゃないの?私との交換って言ったけど、本当は違うんじゃないの?」

「違わない。この男は若いバージンを抱きたいとおれに頼んだ。悪魔の契約をしたのはおまえだけではないのだ。男の要求をのんだおれは青木ヶ原樹海でお前を見つけて誘った。この金はおまえに対する対価だ」

「この人はお金が余っているの?女性を抱くためにこんな大金を出すとは思えない」

「そうだな。いくらバージンと言えどもな。だったら何が本当の望みだったと思う?」

「何が望み?解らない」

「この金は働いて貯めたものじゃない。盗んだ金だ。しかも殺人を犯して」

「ええ~どういうこと?それを知っていて何かを約束したの?まさか!」

「まさかだ。罪を反故にしてやる約束で盗んだ金の半分をここに持たせた。残りは自分が別人に成り代わって生きてゆく道を選ぶんだ」

「別人になるって、それって私になるという意味?」

「そうだ。お前の身体を男に変えても戸籍は変えられないし、顔見知りにどう説明できる?」

「海外で性転換したと言えば信じてもらえる」

「なるほど。お前は本当の男になりたいんだろう?手術でペニスを取り付けても機能しないぞ。それに子供なんか作れない。それでいいのなら今すぐそうしてやる」