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吉葉ひろし
吉葉ひろし
novelistID. 32011
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美しさをとどめていてほしい

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援助交際


 私は留美が援助交際からのトラブルに巻き込まれたことを新聞報道から1か月ほど過ぎて知った。そのことは留美の友人が妻の勤めるコンビニで私と会った時
「絶対秘密。留美、援助交際していたんだ。新聞見たでしょう」
 と何か誇らしそうに言った。教えてくれた留美の友人は、万引き遊びの仲間であった。私はなぜあの娘がと愕然とした。
「君さ、留美さんの携帯教えてくれないか」
「おじさんも援助交際したいの。個人情報はだめよ」
「ごめん。おじさんが余計なことをお願いしたね」
「エッチ抜きなら、おじさん付き合ってもいいよ」
「君たち、怖くないのか」
「お金欲しい。私たち、エッチなことをされたら警察に行くから」
「君たちは法律で守られているからな。でもさ、本当に悪い人だっているよ」
「馬鹿じゃないから、そんな大人とは付き合わない」
「なんでおじさんなら」
「高校の先生だったのでしょう。調べてあるの」
「そうか、でもさ、豹変するかもしれない」
「だからその時は警察に行く」
「でも、体は汚れてしまう」
「考え方でしょう。処女なんて、本当に愛し合えば、関係ないこと」
 コンビニの駐車場で、私と留美の友人は議論してしまった。
「名前教えて、携帯もね。おじさんが君にメールする。家庭教師ってことにしておこう。おこずかいはいくら欲しい」
「デイトだけだから、1回3000円でいい。食事もおごってね」
「了解」
 私はもう少し留美のことを聞きたかった。援助交際、その言葉に私は寒気を感じたが、留美には何か訳があったのではないかと感じたのだ。私はその訳を知りたかった。
 留美の友人の名は麗と言った。彼女は、学生証を見せてくれた。
「本当はこれは見せない。誕生日が来れば18歳だから・・エッチされても、警察に行けなくなる」
「おじさんを信用してくれてありがとう」
 麗の誕生日は6月1日であった。後5日ほどなのだ。私は麗と援助交際をすることになった。
麗の誕生日に留美と食事をした焼き肉店に行く約束をした。そのときは学生服で来て欲しいとも言った。私は教師でいたころは、生徒に対し平等でいたいと常に心掛けていた。留美と麗への接し方も同じでいたい気持ちでいた。
 麗はタクシーで来るといった。私は迎えに行くつもりであったが、彼女なりの都合も考えて、私は約束の時間より少し前に店に行った。
 麗は約束の時間より早く店に来た。私は彼女を待たせなくてよかったと思った。彼女がドアを開けると、私は足早に麗を出迎えた。
「高級店ですね。初めてです」
私は留美とは違った喜びを麗に感じた。素直にうれしさを表現してくれることの喜びであった。
「誕生日だから遠慮しないで食べて」
「注文の仕方もわからないから、お任せします」
「コース料理2人前」
「よく来るんですか」
「ときどき」
「いいな、夢みたい」
「君は素直なんだね」
「そうかな、思ったこと口に出してしまうからバカ」
「正直だよ。君の長所だよ」
「先生はおだてるのが上手いよ」
「留美さんは学校には来ている」
「転校するか認定を受けるらしい。医大志望だから、成績はいいよ」
「君の誕生祝なのに悪いね」
「留美とは親友ではないけれど、留美のこと心配してくれるのは、嬉しい」
「今までおじさんて呼んだけど、おじさまにします」
「ありがとう」
「おじさま、少しだけなら好きになってもいいよ」
「少し…好きって、分からないな」
「キスくらいなら、分かったかな」
「からかわない」
「本音はそうなんでしょう」
 私は今までの自分から決別してしまいそうな気分を味わった。18歳の女性からの誘い、教師の肩書もなし、懲戒免職の恐れもない。公務員にとって、犯罪を抑制する一つは、懲戒免職になり退職金をもらえなくなることだ。20年以上勤めれば、45歳前後になり、再就職もなかなかできない。
 私は何度か生徒に体罰をしそうになったが、抑止できたのは、頭の隅にそんなことを考えていたからかも知れなかった。弱いものだと思う。本当に生徒を思うなら、理屈を長々というよりは、頭をこつんと殴ったほうが早い。悪いことではあるが、信頼されていればきっと殴られたほうは分かる。
 浮気などしたこともなかった私は彼女の誘いは、理性を失わせた。幸いなことに、麗は制服を着ていた。
「家まで送る」
「団地だから、恥ずかしいから、途中でいいです」
「君はやはり、素直だよ。団地だなんて黙っていたら分からないのに」
「だよね、バカだから」
私はこんなあどけなさを残す麗からキスを求めることに一瞬ではあるが欲望を感じたことに恥じた。