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みゅーずりん仮名
みゅーずりん仮名
novelistID. 53432
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『 老けてゆく夜 』

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兎に角、その日は鏡の中の顔が老け込んでゆくことのみが恐ろしいと感じる日でした
それだけのために多くの魂が苦しんでいると伝えたかったのですが
誰もが顔を背けることは事実であるので、
おそらくそのことも事実であったと思われます

若者だけが笑いを持って生きていることが羨ましく
どこからか飛び降りて新しい鳥として生きる道はあるのかと考えていると、
鳩がツガイで目の前に降りて来ました
ぼんやり見ていると、4羽に別れ、細身の鳩たちは飛び立っていきました

そのようなことは人に伝えたくても笑いに代わることでも無く、
また金を生み出す話でもないので、

つまらない気持ちでキーを叩きました
これが私であったならと特に考えないためであるような気がしたからでした。


気付くと手に赤い傷が出来ていましたが
それが4本になるまで私は気にしていませんでした
誰かが私のその手の甲を気にしてくれ、薬を塗ってくれましたが
1日のうちに傷は治り、それは皺に変わっていました

何かについて泣きたくても涙は既に流された後であり
笑いが血に変わらない様に、息を潜める必要があるのでしょうか
どこからか誰かが叫ぶ声がし、タイヤがパンクしたような音がしたとしても
老けてゆく夜を、今日も生きていることを、日々、感謝して
壊れゆく風景と古い自分の頭とを、捨てるべきなのかと苦しんでいます

昔は確かに良い時代だった。其の頃、私は若かったから

そのような思い出に片想いしながら生きるために、夜、老けるのです
実際のところ、睡眠時間ほどの賭けはないですが、3度寝はお勧めしません

【煙の匂いに、新しい鳩たちを生み出す必要について考える】