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もやもや病 9

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81 母親と父親

自分の子どもが難病だとわかったとき、母親が、情報を求めることが多いように思う
昼間子どもと居る時間が多かったり、家にいて出来ることを探そうとするとき、母親の方が動きやすいから…

患者会に連絡するのも、きっとドキドキしながらの電話だと思うけど、多くの場合が女性が電話を受けていて、話しがしやすいということがわかれば、よけい2度3度連絡をとることもあるかな

こんなこと言うと変だけど
女の子のお父さん、患者会に問い合わせを自分でして来る人が多くて
どのような会かを確認して次からはお母さんというように

とにかく、連絡していろいろ話を聞くと、病院を替えてみようかと思うとき、お父さんは、今の先生で良いのにと思うようで

昼のうちに情報を得たお母さん、少し遠くても他の病院に行きたいと思うとき、今まで自分で頑張って家族を引っ張ってきたのに、自分より情報量の多いお母さんに何も言うことが出来なくなったお父さん、もしかしたら疎外感を感じるのかもしれない

お母さんは、入院手術と、それはもう今までにない働きをしている
子どものことに一生懸命の母親は当たり前のことで、職場と留守のお家を往復するお父さんは、こんなはずではなかったという思いを持つことになるのかもしれない

順調で有れば良いけれど、もしトラブルが起きれば、重いしょうがいを持つ場合もあり
1人か2人の子どもしか居ない今、その1人の子どもが難病というとき、母親と同じように、父親も又、どうしてこの子が、どうして家が、こんなはずではなかったと思うのではないかと

母親は、どんなときでも泣くことが出来る
泣くことで、又元気にがんばれることもある
でも父親は、泣かずに頑張る人が多いかと
妻に弱みを見せないような・・・

妻が子どもにかかり切りの時、お父さんは居場所がなくて、心配な思いや、悲しい思いを引きずりながら、自分の好きな事で時間をつぶすのがせめてもの救いで

でも、心配がふくらんでいるお母さん、お父さんが自分や子どもから離れて好きなことをしているように思うのではないかと

こんな時、お父さんの孤独を思わずに、泣きながら抗議をするお母さんを見たら、もう先に泣かれたらよけいに泣くこともできないお父さん、弁解もせずに自分の世界に籠もりそうで

寂しいとき、辛いとき、独りぼっちを感じると
自分の親戚や、友達から、おいおい、この病気は遺伝とかじゃないのか、家にはこういう病気の人は居なかったぞ、これは女房の血筋じゃないのか・・・こういう展開は予想できる
少し歯車がかみ合わないと、ふとしたときに、このことが唇からこぼれ…
ごめんなさい、酷い話しを書いてるけど、こうして離婚されたのではないかと言うことが結構多い気がして
どの病気と言うことなく、難病やしょうがいのある子ども達の両親に

私はとても酷なことを言ってる、お母さんに
病気の子どもだけで大変なのに、その上、他の子ども達のことを考え、そして、だいじなお父さんを見てあげて欲しいと

お母さんが辛いと思うときは、同じようにお父さんも辛い、辛さや痛みは、いくら夫婦でも計ることが出来ない、あなたより私の方が辛いのよという秤はどこにもないのに

ふと悲しくなることある、そんな時は、お父さんも悲しいのだと、その思いを分かり合って夫婦だと

昼のうちに連絡をくれたお母さんが、夜、主人にも説明してやってくださいと電話をくれることが多くなった
夫婦のだいじな子どものこと
ちゃんと思いを語り合って同じ方向を見て欲しいと、心から思っている

作品名:もやもや病 9 作家名:とことん