小説が読める!投稿できる!小説家(novelist)の小説投稿コミュニティ!

二次創作小説 https://2.novelist.jp/ | 官能小説 https://r18.novelist.jp/
オンライン小説投稿サイト「novelist.jp(ノベリスト・ジェイピー)」
てっしゅう
てっしゅう
novelistID. 29231
新規ユーザー登録
E-MAIL
PASSWORD
次回から自動でログイン

 

作品詳細に戻る

 

「月ヶ瀬」 第十一話

INDEX|1ページ/2ページ|

次のページ
 
容子はその場から自宅に電話をした。まだ三津夫は帰ってなかったようで電話が繋がらなかった。

「あきまへんわ。まだ帰っとらんようです」

「そうか、やったら役場に電話し」

役場に電話を掛けた。居残っていた三津夫が電話に出る。

「なんやお前か。ここへ電話したらあかんって言うてるやろ」

「せやかて刑事さんが来てはって、あんたに話がしたいって言わはるんやもん」

「刑事が来てる?巡査か?」

「奈良県警の人や。店で待ってるから直ぐに来てくれへん?」

「仕事が残ってるんや。帰られへんで」

「ほな、そっちへ行ってもらうわ」

「それはあかん・・・しゃあないな~すぐ行くわ」

電話を切ってほどなく久保三津夫が店にやって来た。
四人の客も顔見知りらしく、挨拶を交わしていた。

「久保三津夫です。遅なってすんまへん。聞きたいことってなんですのん?」

「奈良県警の佐藤です。手間とらせて悪いな。奥さんがここをやる前に働いてた康子さんと言う女性知ってるやろ?」

「はい、知ってます。ここが出来たときに良く来てましたから。村の若いもんはみんな来てたと思いますよ」

「そうか、評判やったんやな。息子さんの誠治の事件があった後に何か聞いたことなかったか?」

「事件の後は店閉めてしもうたから・・・何も話をしたことはありませんでしたわ」

「すぐに閉めたんか?」

「逮捕されてすぐやったと思います」

「そうか、康子さんには子供が居ったやろ、そのことで知っていること何かあるか?」

「よう解らへんけど、上の娘さんは結婚してたし、旦那さんは康代さんと一緒に引っ越していったみたいです。しばらくして店はうちのやつが頼まれてやるようになったんです。大阪に居る時に飲食店で働いておったさかいに経験者やって言うて頼まれたんです」

「その娘さんのこと知っている人ここら辺に居らんかな?」

「初江ちゃんのこと?・・・仲良くしてた子もおらんかったし、子供の頃はいつも誠治と遊んでたと思います。容子誰か初江ちゃんのこと知っている人居るか?」