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赤襟の清ちゃんと、三毛猫のたま 41~45

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赤襟の清ちゃんと、三毛猫のたま (41)
にわか看板娘 

 浴衣に赤いたすき、姉さんかぶり。さらに人気ラーメン店の前掛け姿。
いきいきと動き回る清子に、客席のあちこちから、立て続けに声がかかる。
評判を聞きつけ、遠くから朝ラーメンを食べに来たはずの人たちが、
笑顔がさわやかな看板娘の登場に、当初の目的をすっかり忘れている。
店の中が、ザワザワと色めきたってきた。

 「お嬢さん。記念写真をいっしょに撮ってください。お願いします」

 「君。可愛いねぇ、もしかして、ミス喜多方かい。
 手が空いたらこっちもぜひ、1枚、記念撮影をお願いします」

 朝ラーメンの繁盛店が、いつのまにか清子の撮影会に
様変わりしてきた。
ラーメンをつぎつぎテーブルへ運びながら、清子は相次ぐ記念撮影の注文に
こころよく応じていく。
嫌な顔ひとつ見せず、『はいっ』よ笑顔で応えていく。

 「おい。どうなってんだ・・・
 いったい何が始まったんだよ、今日は・・・」