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藍城 舞美
藍城 舞美
novelistID. 58207
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後日談 ~もう一つのブローチ~

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 ハロウィンライブから2日たった11月2日、作者はサラの家を訪れた。
「どうも、作者のマイミ・アイジョウです」
「あら、アイジョウさん。しばらくですね」
「ええ。今日はですね、サラにお渡ししたいものがありまして…」
 そう言うと、作者はピンク色のちりめん友禅の小箱を差し出した。

 サラが箱を開けると、その中には日本刀と桜、そして大事そうに十字架を抱える両手をかたどったパーツの付いたブローチが入っていた。
「まぁ、きれい。これはブローチかしら」
「はい、そうです。これは桜の花、これは日本刀です。そして真ん中のこのパーツは、『神を敬う』ということをイメージしたものです」
「神を敬う…」
 サラはブローチの真ん中のパーツをじっと見ると、天井を見上げた。

 作者の説明は続いた。
「『神を敬う』、古いギリシャ語にすると『ティモテオス』、あなたのよく知る名前『ティモシー(Timothy)』の元になった言葉です」
 それを聞いて、サラは驚いたような顔でマイミ・アイジョウを見たが、教えてくれてありがとう、と言うような笑顔を見せた。そして、そのブローチを一層いとおしそうに見つめた。

 しばらくして、彼女は潤んだ目で作者に言った。
「素敵なブローチをどうもありがとう。早速着けてもいいかしら」
「ええ、どうぞどうぞ」
 サラは、それを左側の襟の辺りに着けた。
「どう?似合う?」
「ええ、とてもよくお似合いですよ」
 彼女はすごくうれしそうだ。
「ありがとう。……何て言えばいいのかしら、1人の人を象徴するものを身に着けてると、その人がそばに居るような感じがするの」
「そうですね。私も同感です」
 「もう一つのサムライブローチ」は、サラの一生の宝物になることだろう。


 ― 数時間後、サラは作者からもらったあのブローチの画像を幾つかSNSに乗せて、LOVE BRAVEとその関係者のグループ内のみに披露したのだとか。それでメンバーたちは
「おおっ!」
 とうれしい驚きの声を上げ、「もう1人の仲間」を再認識したそうです。


 死者の日(西洋諸国の伝統では、11月2日は全ての死者を追悼する「死者の日」とされています)のお話でした。