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てっしゅう
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「かぐや姫」 第七話

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かぐやは中学に入学すると誰もが驚く成績で、大人っぽい見た目も重なって人気者になっていた。三年生の男子から声もかけられる。しかし、いつも冷静な対応に友達以上には進展しない関係が続く。

学校から帰ってくると寝るまでテレビは見ずに、本を読み勉強をしているようにボクには窺えた。普通の女の子が楽しむようなオシャレや恋愛には全く関心が無いと思えた。
美加もそのことに関しては心配していた。どんどん自分たちとは違う、弟の翔とは違う成長のスピードを素直に喜べなかった。

夏休みになって、家族でキャンプへ行くことになった。宿泊する場所は標高1000メートル程度の山で、夜は周りに明かりが無いので星が降ってくるぐらいに感じられる。
キャンプ場の片隅に小型の天体望遠鏡が設置されていて、晴れている週末の夜は無料で利用できるように解放されていた。

「かぐや、望遠鏡のところに行こうか?」

「うん、並んでいるかも知れないよ」

「そうだな。少し待たないといけないかも知れないけど、おとうさんと二人で行こう」

「翔ちゃんは?」

「話があるから二人で行きたいんだよ」

「わかった」

望遠鏡には10人ほどが並んでいた。最後尾に二人で立って星空を見ながら順番を待っていた。

「この無数の星の中におとうさんやおかあさん、翔やかぐやと同じような人間が住んでいると思うか?」

「地球と同じような環境の惑星は無数にあるから、その中で同じような進化をとげているところもあると思う。お父さんはどう思っているの?」

「宇宙は広いからな。お父さんの知らないことだってたくさん存在する。人類よりはるかに進化した生命体が居ても不思議じゃない。現にかぐやを見ていると誰が捨てたのかということより、どこから来たのかという疑問に駆られるよ。それほどおまえは優秀だし、美しい」

「お父さん、やだ、美しいだなんて言って・・・」

「学校でも人気者なんだろう。男の子はみんな仲良くなりたいって思っているよ」

「よく声は掛けられるけど、興味がないの。私はお父さんとお母さんと翔が居ればそれでいいの。友達はいるけど話が合わないの。テレビの話題やゲームの事なんかばかり話すから付いて行けない」

「かぐやはなにに興味があるんだ?何がしたいのかっていうことでもいいけど」