小説が読める!投稿できる!小説家(novelist)の小説投稿コミュニティ!

二次創作小説 https://2.novelist.jp/ | 官能小説 https://r18.novelist.jp/
オンライン小説投稿サイト「novelist.jp(ノベリスト・ジェイピー)」
藍城 舞美
藍城 舞美
novelistID. 58207
新規ユーザー登録
E-MAIL
PASSWORD
次回から自動でログイン

 

作品詳細に戻る

 

SAMURALLOWEEN!! プロローグ

INDEX|1ページ/2ページ|

次のページ
 

 ある日のこと。作者であるマイミ・アイジョウのもとに、カナダの架空のロックバンド「LOVE BRAVE」が呼び寄せられた。
「何だい。突然僕らを呼び寄せて」
 ヴォーカルのフィルが尋ねると、作者は、豪華な友禅和紙柄の宝石箱を地面に置いて答えた。
「あなた方には、この中に入っているブローチを身に着けてもらいたいのです」
「ブローチ!?」
「そうです。こちらをご覧ください」

 作者が宝石箱を開くと、その中には日本刀と桜と馬のブローチ、日本刀と桜と半分開かれた巻物のブローチ、日本刀と桜とかかとをつかむ手のブローチ、日本刀と桜と男雛がかぶりそうな冠のブローチが入っていた。それらを見て、フィルが目を輝かせて言った。
「刀に、桜…。何かサムライみたいだ」
「そうです。これらは、題して『サムライブローチ』です」
 作者はちょっとドヤ顔をして一人一人を見ると、再び話し出した。
「フィルは馬の上に赤い透明ビーズが付いてるのを、ヒューゴは巻物の上に紺色の透明ビーズが付いてるのを、ジミーはかかとをつかんでる手の上に黄色の透明ビーズが付いてるのを、そしてスティーブンは冠の上に色なしの透明ビーズが付いてるのを左側のえりの辺りに着けてみてください」
 それぞれ指定されたブローチを着けながら、ギターのヒューゴがつぶやいた。
「作者に言われてアクセサリーを着ける展開、前にもあったような気がするが…」
 ベースのジミーがハイテンションぎみに答えた。
「あ〜、覚えてる!それですごい能力を使ったんだよね」
(宣伝になりますが、彼らの言及したエピソードに興味がございましたら、拙作「LOVE BRAVE外伝」をお読みください)

 ところで、ギターのスティーブンがブローチを持って作者に尋ねた。
「作者さん、これ、冠ですか?何だかイメージと違うように見えるんですけど」
「はい、これは日本の冠です。サムライが儀式とかのときに、この冠を頭に載せるんです」
「へえ〜、そうなんですね」


 全員が着け終わったのを確認すると、再び話し出した。
「いやぁ、皆さんブローチがよくお似合いですわ〜♪あぁそれから皆さん、ブローチの真ん中にあるパーツを、人さし指と中指で触ってください」
 フィルは馬のパーツに、ヒューゴは巻物のパーツに、ジミーはかかとをつかむ手のパーツに、スティーブンは冠のパーツに触った。
「その体勢のまま、大きく『SAMURAI HENGE』と唱えるのです!」
「「「「SAMURAI HENGE!!!!」」」」

 すると、驚くべきことが起こった。(ここで画面4分割)4人の周囲が強く光り、目を閉じて軽く両腕を開いて立っている彼らの首から下が光に包まれたのだ。
 その2、3秒後に光が消えると、何と彼らの服装は着物と袴といったサムライスタイルに変わったのである。フィルは真紅の着物、ヒューゴは濃紺の着物、ジミーは山吹色の着物、スティーブンは白い着物を着ており、4人とも同じ形の灰色の袴を履いていた。

 4人は目を開くと、彼らは自分たちに起こった変化に驚いた。
「何だこれ。服が変わってる」
「夏に着た浴衣とはまた違う…」
「まるで日本の映画みたいだ」
「これがサムライかぁ」
 LOVE BRAVEは集合すると、写真を撮るわけでもないのに立ちポーズをした。彼らを見て、作者はひたすら興奮しながら言った。
「きゃ〜っ、皆さん似合い過ぎです〜。SAMURAIオーラありまくりですよう」

 すると、フィルが作者に尋ねた。
「あれ?刀はないの?サムライって、刀を持ってるはずだけど」
 作者は含み笑いをして答えた。
「いい質問ですわね。あなた方は『MUSIC SAMURAI』です。つまり、刀の代わりに自分たちの音楽を武器として活躍するのです!」
「そうですよね。自分らミュージシャンは音楽で勝負する者ですから」
 ジミーがそう言うと、ヒューゴが思い付いたように言った。
「そういえば、日本には『サムライギタリスト』と称するミュージシャンが居て(実話です)、俺はそいつと結構親しいんだ」
 作者も話に乗ってきた。
「へえ、それはすごい。あの人のギターの腕、人間離れしてますよねぇ」
 スティーブンも目をキラキラさせて言った。
「そのサムライギタリストって人、俺も会ってみたいです」
「いつか会えるさ、スティーブン」


 …というやりとりのあと、フィルが尋ねた。
「ところで作者さん、この服装から元に戻りたいときはどうすればいい?」
「あぁ、そのときは、こうするんです」
 作者は、鞘から刀を抜いてそれを斜め上に向け、再び鞘に戻すアクションをした。
「今、私がやったように動いてください」
 LOVE BRAVEは、作者から教わったアクションをすると、いつもの服装に戻った。
「何というか、すごかったね、『MUSIC SAMURAI』」
 いまだ興奮が覚めやらないフィルとスティーブン。
「あの格好でライブとかぜひやってみたい…!」