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こーぎープリッド
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ナルの夏休み エピソード1

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あたしたちのクラス





 あたしたちの学院は偏差値が高いので授業が難しい。1日7時限授業。それに補習が1時間。そのあとクラブ活動をする。そうするとあとは寝るだけ。消灯時間が午後9時。早朝は4時か5時に起きる。

 6月、一日で昼間の時間が長い。日本は亜熱帯だから外は雨が降っている。
 午前4時、外は明るい。
「美優、おはよう」
「おはよう、ナル」
「ねえ、部活は入らないの」
「義務だから。私、演劇に興味ないから美術部に入っているの。でも午後4時に補習でしょう。大学受験には有利かもしれないけど、アイドルには勉強は関係ないでしょう」
「そう思うわ。あたしもともとアイドルに本気でなる気はないし、アイドルになるのは、タレントになって有名人になるため。だってマスコミを利用しないと、あたしの考えが伝わらないでしょう。ブログとかSNSでは、戯言として伝わらないし」
「そうね、で、部活は」
「軽音部。楽器が使えないと作曲ができない」
「ねえ、私たち気が合いそうだね」
「うん。あとの18人、いやあの転入生も・・・アホみたい」

 あたしたちはコーヒーを飲み、それから、個室のシャワーを浴びる。汗を流し新しい下着を着る。そして、制服を着て、食堂に入る。
「美優、どこにいるの」
 田中美優の姿がみえない。
 もうじき午前6時になる。0次元目の早朝補習に行く子たちが、早い朝食を食べる。いったい何時間、授業すれば気がすむの。この学院には「ゆとり」が全くない。

「ねえ、隣にすわっていい」
「いいわ。たしか転入生の石岡さんだね」
「はじめまして。よく私の名前を覚えてくれて」
「だって、校則ギリギリの長い髪。それに少し茶色い髪が印象的で」
 彼女は甲高い声、とても高い声に、少し甘えたような言い方が印象的だった。男性からは、かわいいく思われる。アイドルとしては得する。
「ねえ、柏原さん。作詞したものを見せて欲しいわ」
「いいわ。学院に行くまで、少し時間があるから」

 美優は4人部屋にいるので、同じ部屋の子たちと一緒に行動している。朝、大浴場に行ったらしい。髪が完全に乾いていない。石鹸の匂いがしそうだ。
「で、私、ビックブラザーの政策を支援させて平和を存続させないといけないけど、でも、まだ不幸な人が世界にはたくさんいる。どう思う」
「それは、大人たちが長い平和な時代。それも貧困もないから犯罪事件がおきない。猟奇的犯罪は過去でも起きたけど、それは、たいていは冤罪で捕まった若者が死刑になったあとで気がついた。猟奇殺人は反体制派の家族が狙われて」
「そうなの。特権階級は、いくらでも犯罪ができた時代があった」
「で、偉い人が腐れば、人々も腐る。大人が腐る。この世の中は、不道徳なのよ」
「でも、柏原さん。あなたは聖人君主ではないでしょう。時々、間違えていることをするかも知れない。そんな傲慢な気持ちはもたないほうがいいわ」
 あたしはカチンときた。あたしは平和ボケしあ腐った大人たちと違う。
「そんなことない。あたし腐った大人たちに物を言わせる」
「そうなの。で、あとで作詞した歌詞を見せて」

 この時から、転入生の石岡ひとみに対してライバル心が芽生えた。