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てっしゅう
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SF小説「かぐや姫」 プロローグ

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今日は目覚めたときから心臓が激しく鼓動する不安定な自分がいた。
友人の、いや彼女と呼んだ方が良いのかもしれない美加とデートの日だった。

天気予報では晴れのち曇りで降水確率は10%となっていたのだが、駐車場の車のところへ向かった数十秒の間に天候は激変した。
雷が鳴り、大粒のヒョウというのかあられというのか氷の小さな粒が降って来た。
慌てて車に乗り様子を見ていたが、氷の粒が天井にあたるパラパラという音だけが聞こえる静寂な空間がそこにはあった。

スマホが鳴る。

「もしもし・・・ああ、美加か。どうした?」

「悪いけど、今日行けなくなっちゃったの。母親が体調を崩していて救急外来へ連れて行かないといけなくなったの」

「それはいけないね。大丈夫なの?」

「たぶんね・・・でも万が一っていうことがあるから」

「変な天気だから気をつけて行けよ」

「ええ?晴れているわよ」

「こっちは真っ暗になっていてヒョウみたいなものが降っているんだ」

「そうなの?そんな予報じゃなかったのにね。じゃあ、祐ちゃん後でまた電話する」

おれの名前は竹田祐一、美加は大内美加と言った。

電話を切って外を見ると一筋の閃光が、裏山に落ちた。
落雷したと思ったが雷鳴が聞こえない。不思議に感じたボクは自然に車のキーを回し、その場所へと向かわせていた。

「この辺りだったように見えたけど・・・」

雑木林の中に入り、予測した付近を探し始めた。
空は晴れて先ほどの天気が嘘のように感じられた。
少し焦げ臭いにおいが感じられた。落ちたものが焼けたのではないかと臭いの方向へ深く入る。

目の前にあったのは金属でできたカプセルのようなものだった。
大きさは横50㎝幅30センチぐらいの円筒状をしていた。近づくと中が見えた。
それはガラス窓から覗けたからだ。

「赤ちゃんが居る!」