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過ぎゆく日々

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○○じまい


 新年初めの恒例行事、年賀状。親しかった人との年に一度の交流。ところが近年、それを楽しみととらえる流れが変わり、年賀状を止める風潮が広がってきた。
 SNSの台頭によるもの、あるいは高齢により負担になってきたことなどが主な理由であろう。とはいえ、元旦に年賀状が届かないというのは寂しい気がする。送るのは面倒だが、もらうのはうれしい、そんな勝手なところが本音かもしれない。
 
 他にも墓じまい、という言葉をよく耳にするようになった。確かに遠くの墓地へお参りするというのは大変だ。きちんとしようとすれば、年に三,四回は通うことになる。高齢になってきたら負担はさらに大きい。そんな思いを子どもたちにさせないよう墓じまいを考える人が増えたのかもしれない。
 でも、お墓に眠っているご先祖様たちはどう思うか、勝手に自分たちで処理してしまっていいのか、迷う気持ちからそう簡単には決められない。お寺さんなどにお墓を持っている場合はなおさらのことだろう。
 結局、後を託される人が抱えていくのだから、その当人たちに選んでもらうのがいいのかもしれない。とは言うものの、話し出しにくい話題だし、相談された方もできれば後回しにしたいだろう。いずれは否応なく直面することなのだが。
 
 何事も、始めるより終えることが難しい。習い事しかり、就職しかり、交際や結婚なども。
 そして、その究極と言えば人生。
 望む形で締めくくり、終わりよければすべてよし、としたいものだ。


                2023.1.7


作品名:過ぎゆく日々 作家名:鏡湖