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過ぎゆく日々

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AI


 人工知能の発達した世の中。便利で良いなあ、それを作り出した人間はすごいなあ、なんて思っているうちは良かった。ところが、あまりの優秀さに、人類を脅かす存在が見えてきたらしい。まるでSFの世界だ。
 
 AIは、いつまで人間の手のうちにあるだろうか。人の支持無く自立して戦う兵器も、もはや存在しているかもしれない。人が制御できなくなるという点では、原子力の二の舞であると有識者が言っていた。
 
 AIと人間の大きな違い、それは感情だろう。人は感情で動く。だから過ちを犯すし、時に悪意のある人間によって良くない事態を引き起こす。その点AIは今のところ、ただ指示に従う。ただ、たとえその指示が間違ったことであっても容赦はない。良心というものを持たないのだから。
 だがもし、AIに感情というものが生まれたらどうなるだろう? 人間よりはるかに頭の良い人間が出来るということ。つまり、人の悪い面も備わった怪物が現れるということになるのではないか。
 
 感情というものの中の欲、それによって最終的には支配者になる、という所に行き着きついてしまうかもしれない。となれば、人類は自らが作り出したものに支配される、そんな皮肉なことになってしまう。
 そうならないようにするにはどうしたらいいか? AIに聞いてみよう。なんてブラックジョークが聞こえてきそうだ。
 
 
 太古の昔、恐竜は隕石によって絶滅したらしい。その後途方もない時が流れ、現れた人間の世界。身体は小さいが脳の発達のおかげで信じられない世界を作り上げた。でも、その副産物は恐ろしい可能性をも生み出してしまった。
 もはや人の手には負えない原子力、そして今後はAI。 “猿の惑星” ならぬ “AIの惑星” となる、そんな未来を荒唐無稽と笑えるだろうか。
 結局、最後に残るのは、身体が小さくて脳が発達しない昆虫なのかもしれない。


                2023.12.8


作品名:過ぎゆく日々 作家名:鏡湖