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藍城 舞美
藍城 舞美
novelistID. 58207
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LOVE BRAVE外伝 第0話

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 ある日のこと。作者であるマイミ・アイジョウのもとに、カナダの架空のロックバンド「LOVE BRAVE」が呼び寄せられた。
「何だい。突然僕らを呼び寄せて」
 フィルが尋ねると、作者は、何かを包んでいる唐草模様の風呂敷をテーブル上に広げて答えた。
「あなた方には、これらのアクセサリーを身に着けてもらいたいのです」

 風呂敷に包まれていたのは、十字型にカットされたレッドスピネルが輝くシルバーの指輪、十字型のラピスラズリが付いたネックレス、十字型のイエロースフェーンのイヤリング、そして中央に十字型にカットされたホワイトクオーツが輝くホワイトゴールドのブレスレットだった。4人はそれらをじっと見た。作者は一人一人を見ると、再び話し出した。
「フィルは指輪、ヒューゴはネックレス、ジミーはイヤリング、スティーブンはブレスレットを身に着けてくださいね」
 ちょっと理屈っぽいヒューゴが問い掛けた。
「何で勝手に身に着けるアクセを作者が決めんだ?」
「それは、ストーンの色をあなた方のイメージカラーに合わせているからです」
 作者のあまり上手くない説明を聞き、ジミーが
「なるほどね」
 と言いながらイヤリングを耳に着けた。ほかのメンバーも、作者に指示されたアクセを黙って着用した。


 そんな彼らのそばで、作者は話を続けた。
「あぁ、それと、アクセを身に着けると、特殊能力を使えるんです。例えばヒューゴ、軽く2、3回ジャンプしてみてください」
 ヒューゴは首をかしげたが、作者の言うとおりに動いた。すると、何と宙に浮いているではないか。
「うわ、何だ?浮いてる?」
 3人の目も彼に釘付けになった。
「あなたはこのネックレスをしたことで、空中移動(エアリアルウオーク)ができるようになりました。ゆっくりでいいので歩いてみてください」
 彼は困惑しながらそのとおりにした。すると、本当に空中を歩いたのだ。ほかの3人は、目と口を丸くした。5、6歩歩くと、彼は地上に降りた。
「とても信じられない…」
「もう細かい説明が面倒くさいから、簡単に言いますね。フィルは額に人差し指と中指を当てて、それらを負傷者に向ければ、その人はけがから回復します」
「へえ、それは便利だ」
「でしょ。で、ジミーは、顔の前で片手をスライドさせるように動かして『invisible(インヴィジブル)』と言えば姿を見えなくできる、つまり体を透明化できるんです。ただし、発動できるのは1回当たりわずか30秒間です。ご注意ください」
「それって、透明人間になれるってことだよね?」
「そうですそうです」
 そのようなやりとりをしていると、スティーブンが聞いてきた。
「あの〜、俺にはどんな能力があるんですか」
「あぁ、スティーブンは、相手と視線を合わせて『purify(ピュリファイ)』と言いさえすれば、相手の『悪の感情』を打ち消すことができますよ」
「う〜ん…何かものすごい抽象的ですね」
 作者は軽く説明した。
「そうですねぇ、ちょっと細かく言えば、相手の『怒り』とか『悲しみ』とかを消すことができるってとこですかね」
「それ、ある意味すごい力だよ」
 横からフィルが言ってくると、スティーブンは無言でほほ笑んだ。