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吉葉ひろし
吉葉ひろし
novelistID. 32011
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さくらさくら

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ライバル


 舞が好きになりそうな教師が出来た。音楽担任。小室政治。28歳。独身。身長175センチ以上。
 舞は学校に登校して何してんだ。恋人探しか?
 授業は全部家庭教師から習ってしまったから
 つまらないの。
昼休みは音楽室でご飯食べようって決めた。小室先生と食べよう。1人では不安だからかおり誘って。かおりは舞と友達になれて嬉しそう。
 「残念だ。教官室に先生はいないよ。かおり」
 やっと3階の音楽室まで来たのに、小室先生は居ない。
 舞は諦めきれず、個室のピアノ室のドアを開けて、3部屋調べた。卓上ピアノがあるだけだ。
「屋上かも」
かおりが言った。桜の咲いていた時、屋上から桜を眺めていた小室先生を観たのだ。 
「屋上の扉は鍵が掛けられているから、行かないでしょう」
「甘いな」
「かおり、どういうこと」
「小室先生には恋人がいるから」
「え、だれ、だれよ」
「トイレの監督の新米先生」
「そっか」
 舞とかおりは屋上への階段を上った。扉には鍵が掛けられていた。
「居ないな」
かおりが言った。
「お腹空いた。ここでお弁当食べよう。昼休みあと15分だから」
2人はピータイルの床に座り込んだ。
「冷たい」
「上履き脱いでお尻に敷きましょう」
「舞のお弁当豪華」
「好きなもの、どうぞ」
かおりは、肉のチーズ巻きを食べた。
その時、扉の鍵の音がした。扉が開き、小室先生が屋上から現れた。小室先生が驚いたのは当然だった。生徒は立ち入り禁止だった。
「お前たち。ここは立ち入り禁止区域だ。な、なにしてんだ」
「お弁当食べてます」
「今日は黙っておくから、早く教室に戻れ」
開けた扉の間から、床に影が映っていた。舞はその影を観てしまった。きっと新米先生だと感じた。
「先生。すみませんでした」
 舞はかおりに
「引き上げましょう」
と言った。


作品名:さくらさくら 作家名:吉葉ひろし