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吉葉ひろし
吉葉ひろし
novelistID. 32011
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さくらさくら

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幻滅トイレ


 チャイタイムが鳴ると教室からバラバラとトイレに向かう。まだ緊張からか、舞もその一員であった。舞の入ったトイレの汚れは何なんだ。前のやつ、舞は思わず、やつと気持ちの中で言った。
流れ切っていない。臭い。常識知らずなやつ。舞はハンドルに手を掛けて水を流した。水圧が足りないのか、大の塊がくぼみに残っている。また水を流しながら用を済ました。家庭では様式トイレだから学校の和式トイレは違和感があるが、不特定の生徒が使用するので、お尻が触れないのは良いと思った。
 掃除当番はトイレであった。オイ。オイなんだよ。ナプキンそのまま捨ててある。汚物入れからはみ出てる。幻滅。
 「トイレ掃除は自分の気持ちの、掃除をしているつもりでやりなさい」ですってさ。
『先生、この汚さ知ってますか』と舞は言いたかった。大学出たばっかりの新米先生。すごい美人。憧れる。
 
作品名:さくらさくら 作家名:吉葉ひろし