小説が読める!投稿できる!小説家(novelist)の小説投稿コミュニティ!

二次創作小説 https://2.novelist.jp/ | 官能小説 https://r18.novelist.jp/
オンライン小説投稿サイト「novelist.jp(ノベリスト・ジェイピー)」

お見受けします。

INDEX|1ページ/3ページ|

次のページ
 
「普通の人間には見えない、立て看板の指示に従って頂いたと言う事は…」

 丑三つ時の洗面台。

 鏡の前に立つ水無月さんに、鏡の中から<鏡像の水無月さん>が声を掛けます。

「貴殿、かなりの魔力の持ち主だと お見受けします」

 鏡に映った 向かい合わせの自分の像に、水無月さんは呟きました。

「…あの看板、誰にでも…見える。」

「そんな事は、御座いますまい…」

<鏡像の水無月さん>の顔が、心外そうに歪みます。

「魔力を持たない者には見えず、鏡にも映らず、写真にも残らないはずです!」

 水無月さんは、鏡の中の自分にスマホの画面を見せました。

 そこに、奇妙な文字の書かれた、立て看板が写っています。

 画像を見せられた<鏡像の水無月さん>は、決まりが悪そうに、目を逸らしました。

「魔法…掛け間違えました……かな」

作品名:お見受けします。 作家名:紀之介