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亨利(ヘンリー)
亨利(ヘンリー)
novelistID. 60014
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L K 「SOSの子守唄」

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第5話 再出航



「航行速度は、出力70%を維持してください。それ以上では、船体剛性を保てる保障がありません。」
「それでは、時間がかかりすぎるわ。どうせ眠ったまま行くのだから、爆発しても気付かないわ。」
ケイは、あきれた顔で静止したあと、口角を上げて話を続けた。

「救難信号に添付されていた、最新の星図にある恒星をスウィング・バイすれば、滑らかな加速が得られますので、約2年半で目的ポイントに到達できます。」
「それなら、救助に十分間に合うわね。」
「まだ、生存者がいればの話です。それに事故ポイントには、亜空間断層があるようです。」
「それをジャンプしようとしたのね。」
「新型船の船体には、エネルギー防壁を展開できますので、亜空間の亀裂も越えることが出来るはずです。」
「今までは問題なかったのに、どうしたのかしら。」
「それはきっと、エルが作成してきた星図には、断層を避けたルートで記載されていたからでしょう。」
「未知の宇宙域に入って、初めて亜空間断層に出くわしたけど、甘く見たのね。」
「エル。本当に私のサポートがなくても、大丈夫ですか?」
「大丈夫よ、もう一体のアンドロイドを連れて行くから。」
「そのモデルは、ミリタリーモデルですので役に立ちますが、私のような“やさしさ”は、持ち合わせていませんよ。」
「・・・!? あはは。驚いたわ。冗談が言えるようになったのね。」
「はい。考えておきました。」
「それを言ったら興ざめだけど。」
「それと、タックも同行させてください。彼もその方が嬉しいはず。」
「それじゃ、あなたのほうが一人ぼっちになってしまうわ。」
「いいえ。ニワトリやブタの方が、賑やかです。」
「はははは。確かにそうね。」

私たちは、急ピッチで出航準備を整えた。太陽系からの指示を問い合わせてる暇はない。彼らは私に助けを求めて来たのだから、迷ってる場合じゃないわ。
でも、私が出発すれば、戻って来られるのは、6年も先。それまでケイにこの星の開拓を任さなくてはならない。
もちろん彼ならできる。でも、インフィニチウムの採掘も見通しが立っていないし、リンゴの木だってまだ植え替えていない。この星を開拓し始めたのは私だから、途中で置いて行くのは気が進まない。

・・・いいえ、本当はケイを置いて行かないといけないのが、つらいのかも・・・


2年5ヶ月後、私は人工睡眠から目覚めた。

また耳鳴りがする。
体が冷えているわけではないのに、暫くは足を思い通りに動かせない。
いつものとおり。でも今回は、慣れるまでゆっくりしている暇なんかないわ。