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亨利(ヘンリー)
亨利(ヘンリー)
novelistID. 60014
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L K 「SOSの子守唄」

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 立ち寄った新型船から、新しい設備が導入出来て、W−159Kがいることで、開拓も飛躍的に進めることが出来そう。まず農場の動物のために、サンルームを作りたい。今、私が欲しいのはガラスね。その為、以前から使っていた作業室を拡張して、工場を建設する必要がある。大掛かりな作業にも新しい重機が役に立ってくれるに違いない。その中には、操縦者が装着する外骨格式のライトローダーもあって、重量物作業に使い勝手がいい。

 この星の体積や質量は地球より小さい。つまり重力は10%ほども弱い。そのせいで、農場に植えたリンゴの木は、高く伸びて、20メートルある天井にぶつかりそうなの。
 天井を取っ払って、外に出してもこの木は育つだろうか。
 理論的には問題ないはずよ。外気には植物に必要な炭酸ガスが豊富に含まれるのだから。でも以前、花を外に植えてみたらすぐに枯れてしまった。気圧が低く、乾燥が激しいみたい。

 W−159Kが、ある提案をしてくれた。
「ラボのホログラム・チャンバーを利用して、この星の環境での植物の生育を、シミュレーションしてはどうでしょう」
「ホロチャンバーがあるの?」
 それは昔、私が太陽系を旅立つ前に、宇宙の苛酷な環境を再現して訓練していた、3Dバーチャル空間のようなもの。今では、その映像を実際に触ったり、食べたりも出来る超現実空間として、科学ラボの常識らしい。

 W−159Kは優れている。私よりずっと後に製造されているのだから、進化した思考をしているらしい。私は何か不安な気持ちになった。劣等感。きっと能力の差を実感することになるだろう。