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坂本 ゆかり
坂本 ゆかり
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生きる意味・・ 実父親からの性虐待の心の傷

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〈はじめに〉
何十年経っても癒えることのない心の傷。世の中にはタブーとされている近親姦。誰もが信じ難く目を背けたくなるようなことが、一見普通に見える幸せそうな家庭にもあること、近親者による性虐待があるという事実を一人でも多くの人に知ってもらい、正しい理解の上で自分の周りにいる子供たちに目を向け子供の口から発することがほとんどない性虐待の被害に気付いてもらいたいと願いながら自分の過去を5歳から中学2年まで実の父親から性虐待を受けていたことを公表する決心をしました。
性虐待被害はほとんどが家庭という塀の中で表沙汰になることなく固く閉ざされています。
被害者は心を殺され生きることに絶望を感じながらも口を閉ざすことで加害者も含め家族を守り続けています。加害者は罪を犯しているにもかかわらずあたかも被害者の妄想であるかのように裁かれることもなく平然と日常を送っています。被害者は自分に対する嫌悪感と憎悪で毎日このまま消えてしまえたらどんなに楽になれるのだろうと一日一日をギリギリのところで生き繋いでいます。
わたしの父親が口癖のように言っていたことがあります。『悪いことをしたら絶対に裁かれる。生涯逃げ通せることは絶対にない。犯罪をおかすことは許されないこと。だから犯罪を犯してはいけない。』とニュースなどで犯罪を耳にする度に私に言っていました。
賢いあなたがどうして私にしていることが犯罪だと思わなかったのでしょうか?人間とは自分のこととなればそこまで都合の良いように物事を正当化で
きるのでしょうか?
そんなあなたに私は一生懸命、愛を求め続けて生きてきました。未だに私自身認めたくは無いけど憎みながらもまだなおあなたの愛を求めています。どうして普通に愛してもらえなかったのかとまだ悔しく無念で仕方ありません。諦めきれることが出来ればどうなに楽でしょうか・・・それほどまでに子供は親を愛しています。そんな子供の気持ちを踏みにじらないで下さい。
子供は親の思い通りになるロボットではなく子供にも人格があることを、いつかは大人になり、自分の受けた罪に気がつくこと知っていて下さい。子供が、親や自分の周りの大人達を慕う心を悪用しないでください。
わたしのような被害者をひとりでも減らすこと、未然を防ぐことに皆様のお力をお貸しいただきたいと切に願いながら・・・

生きる意味
実父親からの性虐待の心の傷

坂本 ゆかり

私は現在、ダックスフンド一匹ボストンテリア2匹と一緒に香川県高松市に住む46歳。高校を卒業して通信課程で美容師免許を取り、少しの休職期間はあったものの現在に至るまでの間、美容室でサロンワークにつかせてもらっております。
子供は2人いますが成人して長男は県外に就職、長女も県外の大学へ進学しました。6年ほど前から自分のお店を持ち経営もはじめました。お店の経営もいろいろと苦難はありながらもそこそこ上手くいき他人から見ると順風満帆な人生を送っていると思ってもらえてるかも知れません。
私には簡単に言えなかった過去があります。
それは、実の父親からの性虐待です。
最近、被害を受けていた頃の自分を冷静に思い出すことが出来るようになって気持ちの整理がついてきました。父親とこうなったのも私に落ち度があったせいなのではないのか。人として犯してはいけないことをしてしまった生きる価値もない人間ではないのか惨めで汚らわしい人生。という思いが心の中に常にあり、ふと思い出す子供の頃の自分は群れをなした害虫の塊のように汚く思えて目を背け現実を直視することが出来ませんでした。周りの友達にもこのことをほとんど話すことはありませんでした。ただただ忘れたいと思うばかりでした。そんな中『性虐待』という言葉は今までの考えとは全く違う角度から過去の出来事を客観的に見るとこに気づかせてくれました。かと言ってその言葉が最初から違和感なく気持ちと重なった訳ではありません。私は父親の間違った愛情表現からこんなことになってしまっているのだ。私は父親を許してあげなければいけない。私が広い心で許すことで関係が上手くいくのだとと長い間、思っていました。なので一生懸命、笑顔で接するように努めてきました。でもいくら頑張っても心の悲しみは癒えることがありませんでした。いろんな本を読みました。発達心理学や犯罪心理学の本も読みました。同じような経験をされた方のブログなどもたくさん読ませてもらいました。『毒なる親』は私のバイブル本となりました。子供の頃、家庭が心休まる安心出来る場所ではなかった、なにか今現在生きづらさを感じる方にはぜひとも読んで頂きたい本です。読み返す度に新たな気づきがあるとおもいます。父親が加害者で私は被害者、初めて「私は、性虐待を受けていたかわいそうな子供だったんだ」と気がつくことが出来ました。ここまで心が回復し、正しい認識をもち過去を乗り越えるまでに30年かかりました。「わたしが悪かったのでもなかったのだ」と自分を許すことで子供の頃の自分を暗いじめじめした牢獄から解放させる事が出来ました。
そこから思い出したくない一生懸命忘れようとしていた過去の出来事が忘れてはいけない出来事にかわっていきました。私は経験したことを伝えなくてはいけない。見過ごされてはいけない大罪なのだと言うことを訴えなければ被害者は増える一方。私が性虐待の抑止力になれるように出来ることは何か無いのかと模索する毎日に変わっていきました。人は生きる目標が出来るとこんなにもしがらみを
吹っ切ることが出来るのですね。周りの人に性虐待のことを知られるのが怖くなくなりました。
過去の自分あって今があります。今回のようなことでも経験した私だからわかることもあると思います。同じ経験をしてしまった人の手助けをしたい。そんな辛い経験でも人の役に立つことがあれば、無意味なことでは無かったことになるのではないかと思えるようになりました。






幼少期

わたしへの性虐待はもっと前からあったのかも知れませんが記憶に残っているので4、5歳くらいからになります。私の家族は父親と母親、私の核家族です。
父親は一流企業と言われている会社に勤め母親は専業主婦です。母親は教員免許をもっていますが、父親が働くことを許しませんでした。
父親の言うことは全て正しく母親や私のの意見は全く通らず母親は生活面でも精神面でも父親に依存していました。子供の目からみても母親は父親の言いなりになる自分の意思をもたないロボットのように見えました。私が言うことを聞かなければ、父親は母親の育て方が悪いと母親と私を怒鳴りつけ叩くという暴力的なところがありました。母親はよく泣いていました。父親が怖かったのだと思います。母親も私に完璧な子供像を求めて私の下着を膝までおろし泣きじゃくる私のお尻を母親も泣きながら叩いていました。私は母親が可哀相に思えました。私がお利口にしていないと母親まで叩かれてしまう。私にとって家庭はとても心安らぐ場所ではありませんでした。