小説が読める!投稿できる!小説家(novelist)の小説投稿コミュニティ!

二次創作小説 https://2.novelist.jp/ | 官能小説 https://r18.novelist.jp/
オンライン小説投稿サイト「novelist.jp(ノベリスト・ジェイピー)」
亨利(ヘンリー)
亨利(ヘンリー)
novelistID. 60014
新規ユーザー登録
E-MAIL
PASSWORD
次回から自動でログイン

 

作品詳細に戻る

 

あなたが残した愛の音。

INDEX|18ページ/20ページ|

次のページ前のページ
 

第9章 禁断の愛の果て



・・・・・・・・・・
 それからも博之は、ひとみのアパートを数回訪れ、二人の関係は深まる一方だった。

 禁断の愛。誰にも言える筈がなかった。

 そしてその関係は、2学期が終わるまで続いた。しかし、2学期の終業式以降、ひとみ先生はもう、博之の前には現れなかった。


〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
 博之は病床のひとみの手を握り、
「もっと早く連絡してくれればよかったのに、先生にだけ苦労をかけてしまって」
「私の軽率な行動が、そうさせたの」
「それでも、愛音さんには不自由な人生を送らせてしまって、僕の責任でもあります」
「木田君に責任はないわ。認知する必要もない。あの子もそれは分かっている」
「これからは、僕がしっかり見守ります」
ひとみは終始、涙を流しながら話した。博之の目にも涙が込み上げてきていたが、こぼすのを我慢した。

 ひとみは、我が子の父親が、中学生だったということを、ひたすら隠して人生を送ってきた。これからもそのことは、秘密にして欲しいと頼んだ。博之は、それがひとみの遺志であると理解した。

 博之は両手で、ひとみの手を強く握り直して、
「あなたのことが本当に好きでした。突然いなくなって、あれからよく分からない気持ちが込み上げて来て、苦しかったです」
「ごめん・なさ・・ぃ・・・」
「でも、あなたのほうが、もっと大変だったでしょう。それと同じ思いを、愛音さんにはさせたくないと思います。もう、ぜったい」