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夜の音楽会

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夜の音楽会

月や星が綺麗に並ぶ風のふくこんな夜には、素敵なことがおこるとレイは聞いた。

それが何かは、誰も知らない
だってそれはいつも、誰も来ない山奥で動物たちが深い眠りについて、虫や夜の生き物達が歌う、そんな夜におきるのだから、

でもレイは一度だけ、キャンプに来てこんな夜に、草花や木々夜の生物たちと踊る小さな光たちの音楽会を見た

小さなレイはが思わず声を出したら消えてしまったのだけど、

その夜をレイは、どうしても忘れられなくて自転車に乗り、黄色いコートをはおり、黄色い帽子をかぶって、昔見た場所をメモした地図を持って3つ先のこの山までやって来たのでした。

そして、レイは、待ちます、
待つのにあきた帽子が飛んでいっても、
時間を知らせるのに疲れた時計が飛んでいこうが、ただじっと、レイは待ちます、

すると、ヒュウヒュウと風が鳴き、
 月や星が揺られてシャンシャンと歌い
草や木々が葉ずれの音のコーラス
 花々の踊りが始まりました。

そして生き物の合唱も始まり、とても楽しそうな音楽会が始まりました。

熊の腹太鼓
キツネとタヌキの木の葉のバイオリン
鳥達のさえずり

その音楽会はとても素敵です
そして次第にその中に小さな光が見えてきます、それは赤や青や緑や黄色に紫、ピンクとキラキラ輝いています。

レイは、持ってきた双眼鏡で、そこを見ると、かわいい妖精たちが楽しそうに踊ったり歌ったりしていたのです。

それは本当に素晴らしく、
風に乗って聞こえてくる音楽は暖かく
ふわふわキラキラしていて、
レイは、一晩中その音楽会を鑑賞していたのでした。
作品名:夜の音楽会 作家名:水目杏