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亨利(ヘンリー)
亨利(ヘンリー)
novelistID. 60014
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映画 戦国生徒会

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 博之は恵美莉と村木と一緒に、香織のテニスの試合の応援に行って来た。村木を呼んだのは、もし香織が、博之が恵美莉と二人だけで観戦しているのを見て、動揺するようなことがあってはまずいと、恵美莉が気を利かせたからだった。試合前、博之は香織に会わなかったが、テニス部員が博之を見付けていたので、香織は来ていることを知っていた。

 試合の後に、
(木田博之) 「おめでとう」
(滝本香織) 「来てくれて、ありがとう」
(木田博之) 「お前、むちゃくちゃ強いな。ストレートで1セットも取らせないなんて」
(滝本香織) 「まだ、2回戦だから相手が弱いのよ」
(川崎恵美莉)「でもチームとしても5-0の全勝なんて、観てて楽しかったわ」
(滝本香織) 「今、ベスト32だから、これからが本番なの」
 博之と香織は特に、二人だけの会話もせず、お互いに笑顔で別れた。
香織は、不思議と冷静でいた。試合中も博之のことはまったく忘れて、ゲームに集中出来た。
(ヒロ君が、他の女子と来るなんて思わなかった。私が独占してなかったら、他の友達といても当然よね。でも、もう全然ヤキモチを感じないことが寂しいな)


 ステージが明るくなり、性飢魔III(せいきまさん)が登場した。死神さんがドラムのビートを刻み始めて、メンバーの紹介を開始した。
「OK。皆の者。よく来たな! 地獄のビートを聴かせるぜ! 俺様はリーダーのハンサム死神さんだ。Yeah!
・・・続いて、炎の地響きベース、中魔神さん!
・・・嵐のキーボード、大食いキョンシーさん! Come on!
・・・最後に天国まで切り裂く超高音ヴォーカル、ギター、ダ・イ・ス・ケ・鬼ヶ島さーん!!!」
 照明がより明るくなり、一気にボルテージが上がって、大音量で演奏が始まった。映画スタッフは、テーブルを離れ、ホールの後ろの方からステージに手を振った。
(ちぃは、昼間のこと、どう思ったかな)と、博之はステージに拳を突き上げる千鶴を、不安げに横目で見ながら思った。それと同時に恵美莉に対し、(いつも、ありがとう)と思った。

作品名:映画 戦国生徒会 作家名:亨利(ヘンリー)