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亨利(ヘンリー)
亨利(ヘンリー)
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映画 戦国生徒会

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第1章: 自主製作映画



「映画を撮らんか?」
高二の春、まだ桜の花びらが舞う頃、木田博之は担任教師のクマ先生から、秋の文化祭に向けて映画を撮影しないかと勧められた。
クマというのは、担任の風貌が怖い訳ではなく、授業中に教室をうろうろと動き回る姿が、まるで檻の中の熊のように、かわいかったから付いたあだ名である。

「映画ってどうやって撮るんですか?」
クマ先生は地元ではちょっと有名な劇団に所属していた。学校では、演劇部の顧問をしているが、視聴覚教室の管理責任者もしていて、そこの機材を自由に使える立場だった。
博之は体操部に所属しているのだが、そこは大した実績のないクラブで、週に2度、体育館で鉄棒やマット運動の練習をしながら、格闘技ごっこをするくらいの活動内容だったので、時間は十分にある。
演劇部の協力も含め、すぐに10人の有志が集まり、自主制作映画の企画が進行した。
そして彼らは、これから経験する毎日が、高校生活で最高の思い出となることを、まだ知る由もなかった。


         ・・
 
     『映画 戦国生徒会』

       亨利(ヘンリー)

         ・・


2年生が中心となって、様々なクラブやクラスから集まったメンバーは、まだ面識が浅い。
「主役は木田(博之)君で問題ないな。」
監督の中川豊が博之を推した。中川はみんなが認める映画オタクで、頭もなかなか切れる。
博之ならアクションシーンに期待出来た。というのも集まっている生徒のほとんどが、文化部系の生徒ばかりで、体育部系の生徒は少なかったからだ。
脚本は演劇部女子部員の津田柚華が担当する。
「ストーリーは、文科系クラブと体育系クラブが、生徒会が運用するクラブ費の争奪戦を繰り広げる内容となります。」
元ネタは高橋留美子の古い漫画『戦国生徒会』に由来するドタバタ喜劇である。

「ある程度のエキストラが必要になると思うんだけど、大丈夫かな?」
「その点については、クマさんがいろいろ声を掛けて協力依頼をしてくれるので、大丈夫と思う。」
「学校自体の協力が必要になってくるんじゃない?」
「うん。クマさん自身も出演予定だし、他の先生にも頼んでくれることになっている。それに全校集会のシーンなんかは、実際の朝礼の時に撮影出来るように許可も取るから。」
中川の計画に一同納得である。
「でも、主人公の生徒会長と恋に落ちる、副会長役の女子はどうすんだ?」
野崎賢斗が聞いた。彼は中川の連れで雑用で参加している。
「それが一番の問題だ。副会長役だけじゃない。体育系クラブのリーダー『龍子』役の女子も必要だ。」
「ここにいるメンバーじゃ、イメージに合わないわよね。」
津田自身も苦笑いしながら言った。
演劇部には、他にも女子はいたが、はっきり言って残念なタイプばかりだ。

「そこで木田君(博之)。ものは相談なのだが、滝本さんに協力してもらえないかな?」
滝本香織は、博之が高一の時からの彼女である。この中川の安直なアイデアは一番現実的だ。野崎もそうだそうだと囃し立てた。
博之も別に異論なかった。何より大好きな彼女との、青春の思い出作りにはもってこいだ。
早速その日、映画の出演について、香織の自宅で聞いてみることにした。

作品名:映画 戦国生徒会 作家名:亨利(ヘンリー)