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月とコンビニ
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novelistID. 53800
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チーム

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『チーム』

登場人物
○B
○C

B、非常階段で煙草を吸っている。
☆Cイリ、煙草に火を点ける。

B お前、煙草なんてしてたっけ。
C してた。え、前から。
B まじ、全然知らね。
C おいおい、何年付き合ってんのよ。
B 何年?
C 十五、六年かな?
B そっか、もう中年だしな。
C そそ。
B …。
C …。
B 父親ってどんな気分よ?
C え?
B いまいくつ?
C 今年で三つ。
B 可愛いさかりだな。
C やらんぞ。
B 残念だ。
C そうだなぁ。…死ねって言われても死ねなくなった。
B なんじゃそりゃ。
C 昔は死ねたんだよね。仕事で死ねって言われたら死ねたなぁ。
B 今は死ねないってか。
C そうだよ。
B へぇ。
C そっちはどうなんよ?
B なにが?
C ほら、結婚とかさ。
B ない。
C ないか。
B ないな。
C 大学の時にはいたじゃん、彼女。
B たし子さん?
C そう、たし子さん。
B んー、俺もあっちも夢追い人だったかんなぁ。
C お前、プレゼント選ぶの俺、結構付き合わされてたんだからな。
B ああ、そうだったな。
C 俺が選んだの、ことごとく却下されたわ。
B だってセンスないし。
C あるから。
B いや、ことごとくないし。
C なつかしいなぁ。
B 宅飲みとかもしてたな。
C 宅飲みな。スミスん家でな。
B もっぱらアイツん家だったな。
C 恋バナしてなー。
B 酒飲んで、たこ焼き食って…。
C 風あたって来るって言って一人駐車場に出たら、結局、全員駐車場に出て語ってんの。
B 夢があった。
C ああ。
B …、俺さ、もっとお前らとは親友とか、そんなんになるんだと思ってた。
C なにそれ、俺ら何なわけよ?
B ビジネスパートナー?
C なるほど。
B 楽しいだけで仕事してんじゃねえんだもんな。
C まあ、確かに喧嘩ばっかしてるな。
B 稽古場来たくねえもん。
C 分からんでもない。
B みんな、外で色々仕事してさ、積み重ねてきたものも、やりたいことも違ってさ…。
C …。
B それでも続けてんのはスミスのおかげだとは思う。どんなギスギスしてても、口に出して「またやろうなー、大好きだぞー。」って言うの、アイツだもんな。
C アイツは変わらねえな。
B まあ、上手くもなんねえけどさ。
C あれは、一つの芸だから。
B 味っていうのかねぇ。
C …。
B …。
C 一つさ、つっこませてもらうと。
B …。
C 仲が悪くなったってのは、まあそうかもしんないし、お前が言いたいことは、解散とか、どうせそんなことなんだろうけど…。
B そんなことは言ってない、けどまあ、言ってる。
C どっちじゃ。最悪さ、それも無いとは言わないわ。現実、ヤバいし。
B …。
C でもさ、俺らは親友なんじゃないの?
B …。
C ぶつかるのは、それだけみんな演劇に対して真剣だからだろ。お互いが嫌いなわけはないわ、スミスの言うとおりだ。まあ、要は演劇止めりゃあ良いんだな、俺ら。
B 元も子もねぇな。
C どうせ解散したらみんなに会いたくなるんだよ。死ぬときに家族と一緒にちょこっとお前らの顔が思い浮かぶんだよ。親友じゃなくて何て言うんだ、そんなん。
B …、家族かな。
C はは、一本取られたわ。
B そうか。
C お客さんのために良い舞台を作る。行けるところまで上に行く。解散するときは、潔く解散する。そして、普通の親友に戻る。たまに会う。これでいんじゃん?
B …。
C …。
B お前、大人になったな。
C 父親だぞバカヤロウ。
B …今度、久しぶりに飲もうぜ。
C みんなでな。
B …。
C …。
声 きゅうけいおわってんぞー!
B おー。
C へーい。

☆煙草の火を消し、BCハケ。

おわり
作品名:チーム 作家名:月とコンビニ