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亨利(ヘンリー)
亨利(ヘンリー)
novelistID. 60014
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ここに来た3 ロンボク島

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3 ロンボク島(インドネシア)



小さな旅客船に15人ほどの乗客。
群青色のインド洋の波は穏やかだった。

島に着くと、若いゲイにウインクされ、スーツケースを運んでくれようとしたが無視した。

日差しのきつい真昼だった。

ホテルまでの距離がわからない。
港にタクシーが1台もなかった。

町までの道を聞いて、スーツケースを引きずり、歩くこと暫し。
後ろから来たタクシーが声をかけてくれた。

郊外に出ると道路にごみは減り、アスファルト舗装は快適だった。
キャッサバ畑を抜け、いくつかの村を通過する途中で、この島の伝統的な茅葺民家を見学させてもらった。

観光客と見るや、民芸品を売りに来る子供を引き連れて、集落を1周。
ヤシの木と古民家の風景に心癒され、さほど興味もない、魚の木彫りを男の子から購入した。

更に道を進むと、見渡す限りのスイカ畑、道路脇では採りたてスイカの山が続き、買いに来る業者を待っていた。
また車を止め、一つだけ購入し食べてみる。
意外にも甘い。日本より甘い。

ホテルに着き、帰りのタクシーも予約したら、復路は往路の3倍の運賃が必要と吹っ掛けられた。
波の穏やかなビーチに建つこのホテルは、かなりのロケーションだが客は少なかった。
交通の便は重要と思うが、相場が安いので多少の出費は気にしない。

この島に来た理由は、ロンボクケラミックという陶器の工房を訪れるのと、人が少ないという白い砂浜を見るためだった。

翌朝、その砂浜を訪れた。
海藻が打ち上げられている以外は、本当に真白だ。
画用紙にソーダの瓶を載せたような色をしている。

砂に座り、その景色に溶け込みたかったが、隣にはカラフルな布を売りに来た少女が、早口でしゃべっていた。