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亨利(ヘンリー)
亨利(ヘンリー)
novelistID. 60014
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ナスビのかいじゅう

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ナスビのかいじゅう



にわに、ナスビをうえたよ。
きょねんは、プチトマトがいっぱいとれたし、こんどは、プチナスビできるかな?

まいにち、パパがみずやり、マリカちゃんもおてつだい。
くさは、みずをのむと、よろこんじゃって、おおきくなるんだね。
どんどんのびる、はっぱもおおきくなってきた。

あるひ、ママが「きゃーっ」てさけんだ。
「ナスビのはっぱが、1まいもない!」
まるはだかの、えだだけになっちゃった。
どうしたんだろ?

あれ?うえきばちのふちに、なんだかみどりのかたまりが、くっついてるよ。
「ママ、これなあに?」
「イモムシよ。それがナスビのはっぱを、ぜんぶたべちゃったの。」
「ナスビたべるおイモのむし?くそー、イモムシめー!パパ。パパー。イモムシやっつけて!」

パパもイモムシをみておどろきました。
それは、パパのひとさしゆびよりおおきな、おしりにつののある、みどりのイモムシでした。
「ころしちゃったらかわいそうでしょ。これはなにのようちゅうかな?」
「おおきなチョウチョウかしら。」
「からだがふといから、ガのようちゅうかもしれないよ。」
「ナスビのかいじゅうかもしれないよー」とマリカちゃんがいいました。

パパは、ぼうっきれでイモムシをはさんで、むしかごにいれました。
なんになるかは、おたのしみ。
むしかごのイモムシは、じっとしています。

それからまいにち、ナスビにみずをやりました。
イモムシはフンをして、なんだか、ちぢんできました。

ナスビのえだに、あたらしいはっぱがでてきました。
イモムシはうごかないな。パパがむしかごからだして、つちのうえにおきました。
すると、イモムシは、もそもそとうごきだして、なんと!つちにあなをほりはじめました。
そして、あなにもぐってしまいました。

はっぱがすこしのびました。
イモムシはあなにもぐったままです。

やがて、ナスビのはっぱはおおきくなり、むらさきのはながさきました。
むらさきのはながかれると、そこにちいさなナスビができていました。
「ママ。プチナスビできたよ。もうたべられるかな?」
「まだよ。ナスビはもっとおおきくなるから。」
「ええー!プチトマトよりおおきくなるのー。」

イモムシはというと、つちのなかでさなぎになり、やがておおきなガになりました。
だれもしらないよるのあいだに、あなからぬけだして、とんでいってしまいました。

それからナスビは、とてもおおきくそだちました。
「すごーい。こんなにおおきくなるなんて、これがナスビのかいじゅうだね。」

                 おしまい