小説が読める!投稿できる!小説家(novelist)の小説投稿コミュニティ!

二次創作小説 http://2.novelist.jp/ | 官能小説 http://r18.novelist.jp/
オンライン小説投稿サイト「novelist.jp(ノベリスト・ジェイピー)」
亨利(ヘンリー)
亨利(ヘンリー)
novelistID. 60014
新規ユーザー登録
E-MAIL
PASSWORD
次回から自動でログイン

 

作品詳細に戻る

 

聞く子の約束

INDEX|14ページ/51ページ|

次のページ前のページ
 

第6章 頼りになる女性



 僕は2回生に編入学したので、親に学費の負担を1年分多くかけることになる。
 でも総長奨学金というのがあって、それは首席レベルの学生に支給される1種とは別に、面接でアピールして合格すれば、返済は卒業後に必要だが貸与される2種があった。

 僕は短大時代に後援会奨学金を受けていたが、不埒にもそのお金は乗用車の購入に使ってしまっていた。
『また新たに奨学金を申請しても、通るはずは無いだろうな。』
と思っていたが、キクちゃんが、
「面接受けてみればいいのに。」
と言ってくれた。僕は、
『おじいさんの奨学金なので、裏から手をまわしてくれるのか?』
と思ったが、さすがにそれはできないとのこと。
 代わりにキクちゃんは、いろいろ聞いて回ってくれて、面接でされる質問の事前情報や、好印象なトークをいろいろと教えてくれたり、家族構成による教育費の負担や、1ヶ月にアルバイトできる時間、どんな研究テーマにお金がかかるのか等、具体的な内容まで考えてくれた。
 面接官が短大の時に交流の深かった先生になると、教えてもらえていたことは、一番役に立った。その先生は授業中、ほとんど英語で話す人だったので、質疑応答が英語でできるように準備しておいた。
実際にはその英語の準備もキクちゃんが手伝ってくれたのだが、おかげで面接を有利に運ぶことができ、本当にラッキーなことに、奨学金2種が貸与された。
 全部キクちゃんのおかげだと大げさに感謝すると、当然という顔をしていたが、僕はこの頃からキクちゃんのことを、すごく頼りになる人だと思い始めていた。

 しかし、周りより2年も遅れのある僕は、将来何になりたいのか、どういう道に進みたいのか、まだ決められずにいたので、非常に不安な気分だった。学生同士でこのような会話をしても、
『将来は、普通の会社に就職できたらいいや。』
と言うぐらいに考えている者がほとんどで、しかも周りは年下ばかり、僕には年上の先輩さえもいなかった。
 大学生活ではほとんど学生主体で物事が進んでいくので、先生方のお世話になるということもあまり無かった。そんな中、相談相手として頼りになるのは、キクちゃんだけだったのだ。知り合えて本当によかった。

作品名:聞く子の約束 作家名:亨利(ヘンリー)