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亨利(ヘンリー)
亨利(ヘンリー)
novelistID. 60014
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聞く子の約束

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「ニックネームとかないの?」
「高校の頃までは、木田だからキッドとか呼ばれてたけど、最近は下の名前で呼ばれてます」
「じゃ、ヒロ君て呼ぶね」
この大学では、英会話などの授業では、ファーストネームで呼び合うのが普通で、友達同士やクラスメートとも下の名前で呼び合っていたので、この方がいいと思った。
「じゃ僕は、貴久子さんでもいいですか?」
「ううん。キクちゃんでいいよ」
(うーむ。キクちゃんか・・・)すごい大人のお姉さんと思っていたのに、また距離を縮めるとに成功した。

 結構、キクちゃんは一人で『ジロー』に来ていることがあるようだった。
「そんな時があれば、いつでも一緒に食べましょうよ」
と提案してみたら、
「是非ぜひ」
と言う回答。
(キクちゃんも、職場には同年代の同僚がいなくて、結構淋しいんだな)と思った。
 それからは何度か一緒に食べたけど、月に一度あるかないかくらいで、頻繁にではなかった。でも、次につながる会話をするには十分だった。

作品名:聞く子の約束 作家名:亨利(ヘンリー)