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てっしゅう
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novelistID. 29231
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「歴史に学ぶ恋愛」 その二

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その一からの続きですが、中大兄皇子(なかのおおえのみこ)が645年に後に大化の改新と言われるクーデターを起こした協力者の中臣鎌足(なかとみのかまたり=後年藤原鎌足と改姓)が、自分の息子にこう言います。

「嘘も突き通せば立派な真実となってゆく」

そして歴史は鎌足からその子、不比等(ふひと)に引き継がれ、脈々と後世まで藤原氏の権力は続いてゆきます。

これをね、恋愛に当てはめることが出来るのか?と思ったんです。
好きだとだまし続けて本当の愛を相手から受け取れるのか?

武家政権に変わるまで天皇家では権力のために、そして血のつながりのために次々と妻をめとりました。
母を同じくしなければ兄弟でも婚姻して子供を作りました。

中大兄皇子は妹である間人皇女(はしひとのひめみこ)を愛していたようです。肉体関係もあったと思われますが、母(斉明天皇)が同じなので思いとどまった感があります。

はしひとは兄を愛しながら若くして亡くなっています。
許されないとはいえ、悲しい物語です。
世間に嘘をついてでも二人が婚姻していたら後の悲しい皇族同士のクーデターは起こらなかったかも知れません(壬申の乱)
それは中大兄皇子(天智天皇)が愛を信じなくなるからです。

ボクは考えるんです。
相手が誰であろうと愛することは真実であり、結婚が出来る条件がそろっていての恋愛が本当に真実なのだろうかということをです。

現代はいにしえとは環境や教育が違うので同じに出来ませんが、女性の心のなかにある愛しい人への思いにそれほど変わりがないと思います。
だとしたら、変わったのは男性の方でしょうか。

奈良の飛鳥にあった当時の都で一人の采女(うねめ=天皇の世話をする女性)が恋に破れて入水自殺を図りました。
人々は好きな男性に裏切られて将来を悲観したと言い合います。

その話をうわさに聞いて、好きな人と結ばれない、そして道具のように体を弄ばれる(結婚相手を権力者に決められてしまう)皇室の皇女たちは羨ましく思うのですね。

汚されるぐらいなら死を選ぶという潔さを嫉妬に感じられるほど、それも出来ないがんじがらめの権力地図の中に描かれている自分の立場をどれほど恨んだでしょうね。