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てっしゅう
てっしゅう
novelistID. 29231
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「化身」 第七話

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「あなたのことは神社の主様からも聞くことはありませんでした。どうしてでしょう?」

「それは・・・この外れに住んでいまして、村人とは縁を切っておる次第で」

「村八分にされていると言われるのですか?」

「そうではありません。私の方から付き合いを拒んでいるという事です」

「それはどうしてですか?」

「よそ者だからです」

よそ者、その響きは白鬚神社の主から聞いた娘の魂を救った男と同じだと作治は直感した。

「おれは失礼かもしれませんが、あなたに多少の疑問を感じる。許嫁をさらった妖怪が言った言葉に、人を食べたら一年は人間の姿に戻るという言葉を信じてこの村に来た。そしてその男は元からの村人じゃなくよそ者であるとも。人を食いながら百年もの間生き続けて夢に現れた娘の魂を見つけるために、おれの村の同じような年頃の女をさらってゆく」

「私には聞かせていただくだけのお話です」

「では、お願いがある。一緒に私の村へ来て年を越してはくれまいか?そうしたら丁寧に礼を渡して放免するだろう。いかがであろう?」

「それほど私を疑っておられるのはどうしてでしょう?」

「最後の一人だからだ」

「礼を渡すと言われたが、普通に暮らしていて良いのか?」

「大晦日の前日から縄を結って正月を迎えてもらう」

「限りなく疑っておられるという事だな」

「そう言うことになる。断ればここでおれは持っている小刀でお前を刺して、村へ帰る」

「そこまで言われるのか!」

男はじっと作治を睨みつけた。その瞳の輝きにあの日の鬼の目と似たものを感じ取った。

「まずは名前を名乗られよ。おれは小谷村の作治と言う」

「作治どの・・・私の名は無いが自分の心の中では昌春と呼ばれている」

「どういうことだ?心の中で呼ばれているとは?」

「白鬚神社で気付いたときにそう感じたのだ」

「やはりか!疑いは本当になったぞ。観念しろ!」

そう言うと作治は持っていた小刀の柄に手をかけた。
作品名:「化身」 第七話 作家名:てっしゅう