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ギブアンドテイク【番外編】

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佐倉のその後について

【佐倉のその後について】


side 高峰



10月、九州に転勤して7ヶ月目。


「週末出張でそっち行くんだけど、飲みに行かね?」


転勤以来疎遠になっていた佐倉から、そんな連絡があった。

婚姻届を出してから2週間経ったが、遠距離だから実感はよけいにわかず、俺の気持ちはふわふわしてた。

おたがいに近況報告するのもいいと思って、その誘いを受けた。


「高峰、滝本と結婚すんだろ?おめでと」

「滝も……由菜に聞いたのか。婚姻届はこないだ出したから、正確には結婚してるんだけど」

「え、そうなの?てっきり俺の方が先だと思ったのに」


名前で呼んでるし寝耳に水だなーと笑いながらジョッキをあおる佐倉は、通りかかった店員に次のビールを頼んだ。

佐倉は酒に強く、量を飲まないと酔えないからコスパが悪い。

そのくせ、度数の高い日本酒やウイスキーは飲みにくくてきらいだから、なお悪い。


「先って、あの彼女と続いてんの?」

「ああ。でも結婚するよ。妊娠してるから結婚式どうするか悩んでる」

「……うん?」


妊娠?


「は、ちょ佐倉、今何ヶ月なんだ……?」

「3ヶ月。婚約したのがもうちょっと前かな。実はもう一緒に住んでる」

「……つまり、でき婚ではないと」


結果的にそうなるな、と佐倉はいたって軽い口調で言う。

わりと計画的な男だと思っていたが、あっけらかんとしているから実はそうでなかったのかもしれない。

それか、もう事態を完全に受け入れたか……彼女とは結婚も考えて付き合ってると転勤前に聞いてたから、なんと言われてもうなずける。


「つわりがひどくて、彼女の実家が東京だからどっちにしろ都合よかった。結婚式挙げてやりたいけど、負担考えたら産んで落ち着いてから身内でやった方がいいと思うんだよな」

「……そうだな」

「おまえらは?結婚式どうすんの?」


佐倉がすっかり夫らしくなっていることに衝撃を受けていると、彼から質問が飛んできた。

来年の夏だと答えれば、「じゃあ俺の嫁さんも誘ってくれ。行けたら行くから」と笑顔で言われる。

たしかに、佐倉の奥さんは誘いたいな。


「それより、子供が生まれる方が先だろ。た……由菜に話したら絶対見たがるぞ」

「そうだなーじまんするから2人で見にこいよ」


やたらしあわせそうに返されて、滝本に告白したことあるのかと聞くのはバカバカしくなってやめた。



【佐倉のその後について・おわり】