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ギブアンドテイク【番外編】

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親バカ子バカ

【親バカ子バカ】


side 高峰



それは、唐突なぶっこみだった。


「由菜、子供作らないの?」

「へ?」

「いや、だってあんた……ねえ、高峰くん」


初秋に籍を入れてから、初めての年末年始を由菜の実家で過ごすことにした俺たちは、いつもどおりに各々の仕事をしていた。

リビングに掃除機をかけながら親娘の気になる話題に耳をかたむけていると、明枝さんからキラーパスが送られてきた。

言葉が続かなかったからって、無茶ぶりもいいところだ。


「いや……まあ、結婚したばっかりだし」

「そんなこと言ってたら、あっちゅーまに年取るんだからね」

「お母さん、高峰こまってるから」


全く酒飲んだわけでもないのに、とあきれ半分に母をなだめる由菜に、おまえが悪いと心の中で責める。

結婚式は、俺の両親が夏くらいしかまともに帰国できない都合で、来夏にとり行うことにしたから、キスすらしたことがない。

同居を始めたのはつい最近だけど、まるで今までと変わらない。


「言っとくけど、わたし孫は男の子も女の子もいてほしいの!いっぱいかわいがるんだー」

「もー勝手に決めないでよ」

「……由菜が生まれてから、家族ってやっぱりいいなって思えたんだもの。経験者は語る!ってね」


前々から思ってたけど、明枝さんはちょっと親バカだ。

由菜もたいがいだけど。


「よし、ーー高峰。来年の目標は子作りにしよう」

「ぶっ」


絶対意味わかってない!

慌てて明枝さんを見れば、同級生がその手の話題で見せるような好奇心に満ちた目を向けているのに気付く。

これ、お義父さんに聞かれたら俺が怒られるんだろうな。



【親バカ子バカ・おわり】