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のび太のBIOHAZARD カテゴリーFの改造版

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第三話 探索開始


 のび太たちが職員室の扉を開けて中に入ると、室内をうろついていた五体のゾンビがその音に反応し、一斉に三人のほうに向かってきた。

(先生たちまで……)

 室内にいたゾンビは皆この学校の教師たちであった。だが、だからといって撃つのを躊躇していては自分たちが食い殺されてしまう。のび太は申し訳なさを感じつつもハンドガンを構え、近くにいるゾンビから順番に鉛弾を撃ち込んでいった。その全てがヘッドショットとなり、あっという間に職員室内の制圧は完了した。

「あっ、弾切れだ……」

 ここでのび太のハンドガンが弾切れとなった。のび太はズボンのポケットから倉庫にいた警官からもらった予備のマガジンを取り出し、空になったマガジンと交換した。校内の安全を確保するために、ゾンビはもれなく倒していきたいところだが、弾の数には限りがある。これからは慎重に使っていくべきだろう。

「確か鍵はまとめてここに……あら? 全然足りないわね」

 咲夜が出入口の横の壁にあるキーボックスを開けるが、そこにあるはずの鍵の大半が無くなっていた。

「ここにあるのは、会議室、音楽室、相談室、視聴覚室、備品室の鍵だけですね」

 聖奈が残りの鍵がどこのものか付いているタグを見て確認し、それらを四次元カバンの中に入れていく。

「机の中とかも探してみましょう。ゾンビはもう僕が倒しましたし」
「ええ」
「そうですね」

 のび太の言葉に咲夜と聖奈が同意し、三人は職員のデスクを片っ端から調べることにした。

「これは……のび太君のと銃だわ」
「この中にも二挺ありました。弾も入ってるみたいです」
「こっちにもありました。ですが、どうしてこんな物があるのでしょう……?」
「確かに変ですね。防犯対策だとしてもやりすぎだし……」
「そうね。一体何と戦うつもりだったのやら……」

 手近なデスクの引き出しを開けた三人が見つけたものは、のび太が持っているものと同型のハンドガンと予備のマガジンであった。しかもその全てに9x19mmパラベラム弾が込められている。それらを見て、何故先生たちの机に入っているのかを詮索する三人だが、今この状況下で最も役にたつ物であることは確かであるため、ありがたく頂戴することにした。この時点で二挺余分にハンドガンがあるが、後で保健室にいる静香とスネ夫に渡せば無駄にはならない。
 その後、三人は残りのデスクの引き出しや棚、ロッカーなどもチェックしていったが、特に役に立ちそうなものは見つからなかった。

「結局鍵は無いか……でもそうなると変だな……今は夏休みで授業なんかやらないのに……」

 この状況を変だと感じたのび太がつぶやいた。授業はないのだから各教室の鍵が職員室に揃っていなければならないはずだ、ということはのび太の頭でもわかることであった。

「もしかしたら私たちの他にも生存者がいて、その人たちが持っていったのかも知れませんね」
「この学校は緊急避難場所にもなってるから、その可能性はあるわね」

 のび太のつぶやきに聖奈が答え、咲夜が同意する。のび太たちと同じように町から逃げてきた生存者が、室内に立て篭るために鍵を持ち出したと考えれば辻褄は合う。

「だとすれば、ここからの探索はもっと慎重に行うべきですね」
「そうね。銃を撃つ前に相手の確認を忘れないようにしましょ」
「はい。僕も十分気をつけます」

 そう言ってハンドガンのグリップを握る力を強める三人。ゾンビと間違えて生存者を撃ち殺してしまった、なんてことになっては洒落にならない。そうならないためには、今以上に冷静かつ的確な立ち回りが要求されるだろう。

「うっ、うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!」
「「「ッ!?」」」

 隣の校長室からガタン、という物音と男性の悲鳴が聞こえてきたのは、そんなときであった。

「行ってみましょう!」

 のび太はハンドガンを握り直して校長室の扉に向かった。聖奈と咲夜もそれに続く。二人が自分の後ろについたところで、のび太はドアを開けようとノブを回したが、内側から施錠されていて開けることができなかった。

「二人とも、ちょっと下がってください!」

 のび太は聖奈と咲夜を後ろに下がらせると、自分もドアから一歩離れてハンドガンを構え、鍵の部分に数発撃ち込んだ。これによりドアは開錠され、中に入れるようになった。弾丸はゾンビのために一発でも多く温存し、ドアはなるべく鍵で開けたいところではあるが、生存者の救出のためには仕方ないだろう。
 そして、三人は開いたドアから校長室に踏み込んだ。すると、その中にいた巨大なノミのような生物が素早く飛び上がり、板の一部が外れて穴があいた天井へと消えていった。残されたのは、禿頭の男性の死体だけであった。

「嘘でしょ!? あんなのもいるの!?」

 この世のものとは思えぬ化け物の姿を目の当たりにし、咲夜が恐怖する。隣にいる聖奈も同じ表情をしている。

「この人は……校長先生だ!」

 のび太が男性の死体に駆け寄ってその顔を確かめる。死体は、この小学校の校長であった。全身血塗れで、その両目は無惨にくり抜かれていた。

「くそっ! 僕がもう少し早く駆けつけていれば……こんなことには……!」

 目の前の命を救うことができず、自分の行動の遅さを悔いるのび太。

「のび太君、あまり自分を責めないでください。これはのび太君のせいではありませんから」
「そうよ。あんな化け物が出てくるなんて誰にも予測できないわ。ここでくよくよしてたってしょうがないわよ」

 しかし、聖奈と咲夜はのび太を責めなかった。校長を殺したのは天井に逃げていったノミの化け物であって、のび太ではないからだ。