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主人公惣受け物語~アニポケ・ジョウト編~

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Episode5 古き良き文化と風薫る港町



第24話『平安の都・エンジュシティ』

前書き

今回より、『第11章〜古き良き文化から風薫る港町まで〜』の始まりです。


今回の話は、サトシ達がエンジュシティへ向かい到着する。ただそれだけの話です。そう、ただそれだけn(ry)






 コガネシティで熱狂的な盛り上がりを見せた‘夢の祭典’より一夜明けて、サトシ達は次の目的地をエンジュシティと決める。そして、コガネシティのポケモンセンターを出てエンジュシティへと出発した。ちなみに、スズナとノゾミもエンジュシティまで同行することになった。


コトネ「みんなも知っていると思うけれど、エンジュシティはジョウト随一の国際観光都市。今でも昔からのお寺や御堂、神社などが点在しており、毎日のように全国ないしは世界中から観光客が押し寄せている都市よ」


マリナ「それと、古くから伝わる伝統文化も根強く残っていて、舞妓の踊りもその一つよ。今回わたしが‘夢の祭典’でキレイハナにさせたパフォーマンスは、ここの舞妓の踊りをイメージして作り上げたの」


ハルカ「あたし、一度エンジュシティの街巡りをしてみたかったわ。コンテストで立ち寄ったことはあるけれど、その時はゆっくり観光できる余裕はなかったもの」


ヒカリ「キレイハナのあのパフォーマンスの原点は、やっぱりこの街だったのね。‘和’の美しさも表現できていたし、エンジュらしさも感じられて、最高のパフォーマンスだったわ」


マリナ「ふふふ、ありがとう」


 サトシ達はコトネとマリナによる街の説明を聞きながら、エンジュシティへと向かっている。話の中でマリナは、先の‘夢の祭典’で彼女のキレイハナが披露したパフォーマンスについて言及する。キレイハナの‘和’をテーマにしたパフォーマンスは、古都・エンジュシティを意識したものであり、そのエンジュシティで今も尚根強く残っている舞妓の踊りを取り入れたものとのこと。このことより、もしかしたら二次審査で古都・エンジュシティをイメージしたマリナ、花の都・パリをイメージしたリリアのコンテストバトルが実現しても面白かったかもしれない。


コトネ「それと、歌舞練場では着物体験も行われているってことね」


アイリス「着物体験!? アタシ、この間テレビで見たんだけど着物を着た女性ってどことない美しさを持っているよね? いつかアタシも着てみたいと思っていたのよ」


カスミ「本格的な着物を自分で取り揃えるとなると結構な値段がするのよね。でも、この着物体験ならあたし達でもお手軽に利用できるわね」


ベル「うんうん! あたしも着物女性に強い憧れを持っていたのよ。サトシ君達と旅に同行した甲斐があったわ」


 エンジュの歌舞練場で着物体験が出来ると聞き、ヒロインズとベルは着物を着る気のようだ。古来より日本では着物を着る女性は美しいものとされており、数々の絵巻や掛け軸に描かれていて大変歴史的価値のあるものである。未だ着物文化が根強く生きる現代となっては一度は着てみたい憧れの対象物となっており、日本人はもちろん海外の女性からもローマ字表記の‘kimono’として注目を集めている。


スズナ「あたしも着物を着てみようかしら? せっかくエンジュに来たんだし、ノゾっちもどう?」


ノゾミ「あたしはパスします。どうも着物を着るって柄じゃないですし…」


 スズナも同様に着物を着ることに意欲を示しているが、ノゾミは自分には着物は似合わないと認識していてあまり乗り気でない様子だ。


ヒカリ「えぇ〜、ノゾミも着てみなよ。ノゾミだってルックスは良いし、絶対似合わないなんてことはないわ」


ハルカ「そうそう、わたし達もノゾミの着物姿見てみたいかも」


ベル「ノゾミちゃんの着物姿、絶対可愛いと思うけどな」


ノゾミ「か、可愛いだなんてそんなぁ///」


 ノゾミの返答に当然ヒロインズとベルは納得がいかないようで、ノゾミに着物を着るよう勧める。ベルから「可愛い」と言われたノゾミは、顔をほんのり赤くさせながら恥ずかしげな素振りを見せる。


スズナ「ほらほら、みんなもこう言っていることだしさ。これは着るっきゃないわよ、ノゾっち♪」


ノゾミ「…はぁ、分かりましたよ。着ればいいんでしょ、着れば(汗)」


マリナ「あらあら、いつもボーイッシュで冷静なノゾミも形無しね。まっ、かくなるわたしもノゾミの着物姿は観て見たいとは思っていたけどね」


 結局、ノゾミはヒロインズ、ベル、そして先輩スズナから押し通される形で着物体験を受けることになった。自分では似合わないと評しているノゾミであるが、普段の様子から想像もつかない服装をするのが良いものとされる、いわゆる‘ギャップ萌え’(服装だけには限らないが…)というのが存在するというのもまた事実である。


カスミ「エンジュの歌舞練場と言えば、サクラはどうしているかしら?」


サトシ「そっかぁ、サクラとはしばらく会っていなかったものな」


カスミ「えぇ。あたしが旅に出なくなってからはたまに連絡は取っているのだけれど、最近お互いに忙しくてなかなか会えなかったのよ。もちろん、この間の水中ショーも招待したわ。ただ、大事な用事で外せないからって来られなかったのよ」


サトシ「サクラも頑張っているみたいだな」


カスミ「えぇ、今もトレーナーとしての腕を上げるためにパートナーのエーフィと一緒に奮闘しているわ。あたしとも何度かバトルして勝っているから、サトシも油断は出来ないわよ」


サトシ「そりゃあ、楽しみだな」


 エンジュの歌舞練場の話になり、サトシとカスミは思い出したかのように、舞妓姉妹の末っ子であるサクラについて話し出す。サトシとサクラはジョウトで出会ったきりであるが、カスミとサクラはジョウトでの旅を終えて以降も頻繁に出会っている。


ハルカ「カスミ、エンジュの舞妓姉妹の人達と知り合いだったのね」


ヒカリ「エンジュの舞妓姉妹は、全国の女子の間では憧れの存在よ。そんな人たちと知り合いだなんて、羨ましいわ」


カスミ「そうかしら? 知り合いというより、サクラとは同じような境遇で気が合うし、お互いを高めあうために競い合っているわ。いわば、親友でありライバルってところかしら?」


サトシ「ハルカ達も、快く歓迎してくれると思うぜ」


ピカチュウ「ピィカ!」


 エンジュシティに向かいつつ、舞妓姉妹の末っ子・サクラとの再会ならびに初対面を待ち望みながら、サトシ達は足を進めていくのだった。









一方、エンジュシティのポケモンセンターでは…


ジョーイ「サクラさん、いよいよ今まで綿密に準備をしてきたバトルイベントが本番を迎えるのね」


サクラ「はい、バトルイベントのゲストは誰もが知るあの人ですからね。このイベントを機に、もっとエンジュシティに来る観光客が増えてくれれば幸いです」


ジョーイ「頑張ってね。わたしも微力ながらサポートさせていただくわ!」


サクラ「はい、ありがとうございます」


 サクラとジョーイが会話をしていた。会話の内容によれば、エンジュの歌舞練場で着物体験とは別にイベントが行われるみたいなのだが、果たして…