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てっしゅう
てっしゅう
novelistID. 29231
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「幸せの交換」 第十話

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それぞれの不満の部分に満足の部分から削って補えば平均化する。それが出来れば幸せを感じられるんだと私は思った。
登志子や恭子には何が満足で何が不満なのか、考えてみた。
そう考えているとお金という問題はとても大きい存在だと気付かされる。

深夜になって三人はまた次の機会に会って話そうと約束して眠りに就いた。
翌朝朝食をホテルのレストランで済ませた私は二人とメルアドの交換をして家路についた。
最寄りの駅からは迎えが無いので歩いてゆく。
すれ違う男性を時々気にしながら、この人だったら抱かれてもいいなあ~などと朝から不謹慎な思いを巡らせる自分が居た。

夕方仕事から帰ってきた夫に「留守をしてごめんなさい」と声をかけた。
「今日はいいだろう」小さな声でつぶやいた夫に、「うん」とだけ返事した。
五十歳を過ぎていても夫の男性自身は若いころのように固く上を向いている。それは素敵なんだけど、後がいけない。

当然のように今日も変わらず、すぐに果てて身体を離した。