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てっしゅう
てっしゅう
novelistID. 29231
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「幸せの交換」 第六話

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「それならいいんだけど・・・今日は楽しんでおいでよ。帰り遅くなったらメールして。駅でも飲み屋でも迎えに行くから」

「サンキュ~さすがわが息子ね。お友達にイケメンの息子自慢しちゃおうかな~」

「何言ってるんだよ、まだ酔ってもいないのに」

「ううん、本当よ。お母さんの自慢だもの」

貴子には自分にそっくりと言われる長男が自慢でもあった。娘は父親に似ていて美形ではあるが、もう一つなじめない関係でいた。それはまだ学生だと言うことも原因だろう。
子供は夫婦関係に敏感になっている節がある。顔色を見ているのだろう。
そう考えると、子供たちが結婚するまでは我慢して夫と仲良くしてゆかなければいけないとも、この日の朝考えさせられた。

駅に着いたわたしは息子と軽く手を握ってありがとうをして、階段を登って行った。
同年らしい男性が時々自分を見つめていることが視線に入る。
胸のあたりだろうか・・・スカートから出ている足だろうか・・・
そんなことも考えてしまう青春時代の自分に戻っていた。思い上がりの自信とは怖いものだ。よく考えてみると50歳なのだ。