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てっしゅう
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novelistID. 29231
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「妖刀正宗の復習」 第三話

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閉館後の時間に館長立会いの下儀式が行われ、霊媒師の手によって霧の箱は開けられた。
出てきた小刀はどこにでもある外観だったが、鞘から身を抜くとそれは眩しい輝きを放っていた。

「素晴らしい刀だ・・・ほれぼれする」

鑑定士でもある担当員はその刀身を眺めながらそう言った。
刀掛けにそっと置かれた正宗はきっと明日からの展示品の目玉になるだろう。
当日の開館前に鞘から抜かれて刀身が展示される。そしてその朝が来た。

時間はまだあたりがうす暗い午前六時過ぎ。
冷え冷えとしている館内で担当者は展示棚のカギを開け正宗のさやに手をかけた。

「いよいよこの名刀が展示される。きっとこの素晴らしい輝きに観客は魅了されるであろう」

それは担当員の願いでもあり、美術館の誉れでもあったのだ。
担当員の手で鞘から抜かれた刀身は展示棚の明かりを反射させて薄暗い館内で怪しい光を放っていた。
その刀身に映った自分の顔を見て歪みの無さに研ぎ澄まされた名品であることを確認した担当者は、そのまま刀掛けに鞘と並べて展示した。