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司令官は名古屋嬢 第6話 『一部』

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第3章 立寄所



【時間軸】…異次元暦42735年 2月10日 昼前
【場所】…758号世界 中京都高速道路
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「……話の途中で悪いけど、渋滞を抜けたことだし、トイレに寄ってくれない? 実は腹痛気味でさ……」
上社が運転席の八事に言った。ちょうど話が盛り上がってきたところだったため、彼女は舌打ちをせざるを得なかった……。
 彼女が運転する車は、高速道路の渋滞からようやく抜け出せ、一般道へ下りようとしているところだった。ビルとビルの間には、ナゴヤドームと大きなショッピングセンターがチラリと見える。
「途中にイオンモールがあるから、そこでいい?」
呆れつつも、気遣いを見せる八事だった。
「うん、そこまではなんとか持ちこたえられそう!」
「やれやれ、古いお茶でも飲んだんじゃないか?」
東山は苦笑いを浮かべていた。


 車は、立体駐車場のスロープを上がっていく。今日は平日なので、満車のフロアは少なかった。そのおかげで、八事はすぐに駐車することができた。
「お世話になったお礼に、コーヒーでも奢るから、先にコメダへ行っておいてよ」
上社は彼女にそう言うと、車から急いで降りていく。
「別にいいのに……」
「大阪じゃあ、かなりヤバかったからな」
八事と東山も車を降りる。ふと横を見ると、上社が階段を駆け降りていくのが見えた。
「あれ? この車は……」
エレベーターのほうへ向かっているとき、東山が一台の停められている車に気がついた。
「やっぱり、大須さんのアクア(トヨタ車)だ。サボりかな?」
確かに、目の前にあるトヨタ・アクアは、大須が普段乗っている車だった。(もちろん無免許だけど、中京都軍の人間なのでOK)
 どうやら彼は、彼女の車のナンバーを記憶していたらしい。そのことに気づいた八事は、少し引き気味の表情を見せていた……。



「ふぅー」
トイレの小便器で用を済ませる上社。尿意から気持ちよく解放されていることから、けっこう危なかったらしい。
「久しぶりに綺麗なトイレを使えて、良かった良かった♪」
すっきりとした様子の上社はそう言うと、手を洗いに向かう。たまに洗わずにそのまま出ていく人がいるが、あれはどういうつもりなのだろうか?