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ワタリドリ
ワタリドリ
novelistID. 54908
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まい子はお母さん子 「ざんげの時間」 ②

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北風さんが困った笑顔を見せるようにうさぎのロランに聞きました。
「また今日もやっちゃんだね?」
「やっちゃったらしいね!」

ロランはクスッと口に手を当てて笑い、そのまま他のみんなもまい子も
さらにはげしくステップをふみだした。
タンバリン、ハーモニカにオルゴール
夢のお部屋のカーニバルだ。
シャリン シャリン シャリン
まい子が一段と盛り上げて、みんなをリズムにさそい込む
まい子のとくいわざだ。

とっても、陽気な気分なのに涙がポロポロこぼれてくる。

ロランの目にも 北風さんの目にも そら、君の目にも
きれいな きれいな 涙の虹が!

やがてみんながお酒にでも酔ったように盛り上がり、こころにあかりが灯る頃
柱時計がボーン ボーン ボーン
3時を知らせるチャイムがなった。

瞬間まい子のステップがピタリ止まり、みんなもリズムをピタリと止める

「あ~あ終わっちゃった。」
北風さんがとても残念そうに、でも、どことなく満足そうに言いました
「ああいい気持ち。すっかりこころが洗われたようだ。」
「ざんげの時間は、おいまいだね。」
ロランうさぎも満足そう。
「まい子はざんげの天才だ。」
ああねむい ロランが大きなあくびをひとつ。
ほかのみんなも自分たちのねどこ(おもちや箱)に戻っていきます。
「僕もまた通りかかったら寄らせてもらうよ。」
北風さんは、ニッコリ笑うと窓のすきまからヒューッと音をたてて
空の向こうへ消えて行きました。

いつの間にか空全体には鮮やかな七色の虹橋が!

まい子がぽつんとひとり静まり返る夢のへやに、キュッ キュッ キュッ
だれかが階段をのぼってくる音が、キュッ キュッ キュッ そして、
やさしいリズムをきざんだその足音が、まい子のへやの前でピタリとやみ
ゆっくりとそのとびらは開かれた。
まぶしいひかりがお部屋いっぱいに包みます。
まい子の表情に満面な笑顔が!
「もう、いたずらしちゃだめよ。」
3時のおやつを持ってきたお母さんが、つられてにっこりとほほえんだ。

「だあ だあ~。」

ごきげんなまい子の頬にはいくせんの洗い流された涙のあとが、キラキラ キラキラ
輝いていた。