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佐野みむろ
佐野みむろ
novelistID. 42051
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ロリータの殺意

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夜の訪問



 まさか、わたしに憑依能力があるとは思っていなかった。
 わたしがその能力を自覚したのは、つい最近。大学の期末試験にむけて、夜中に勉強していたときだった。眠気に負けて、一瞬だけ意識が途切れた。眠っちゃいけないと思い、慌てて目を開けると、見たことのない光景が広がっていた。
「ここ、どこ?」
 思わず口から出たつぶやきが、わたしの声じゃなかった。男の声。びっくりして立ち上がったら、目線がいつもより高く、また驚いた。
 ちょっと居眠りをしただけで、世界が変わってしまった。部屋の中に鏡が置いてあったので、その前に立ってみた。そこに映っていたのは、見慣れた自分の姿じゃない。大学の友だちのケイ君だった。
「どうしてケイ君がここにいるの?」
 彼がここにいるのではなく、わたしが彼になっているのだと気づくのに、しばらく時間がかかった。普段からSFものの映画や小説に親しんでいるおかげで、自分の身に何が起こっているのか理解できた。わたしは、あこがれのケイ君に憑依してしまったらしい。それらしい予感も、前ぶれもなく。
 なんとか落ち着きを取り戻したわたしは、ケイ君の肉体でいろんな動きをしてみた。ジャンプしたり、手足を振りまわしたり。男の人の体は、こんなに力がみなぎっているのかと感心した。しばらく面白がって遊んでいたら、また意識が飛んで、自分の肉体に戻った。
「まさか、わたしに憑依能力があったなんて。しかも、初めての憑依が彼……。これって運命かも」
 ケイ君とはまだ知り合ったばかりだから、彼の家に行ったことはなかった。まともに会話したことさえない。この憑依によって、わたしと彼の距離が縮まったような気がした。
作品名:ロリータの殺意 作家名:佐野みむろ